近年、人と同じ空間で作業を行う“協働ロボット”が製造や物流、食品加工などの分野で導入されている。MarketsandMarketsによると、2024年における世界の協働ロボット市場は19億ドルにのぼり、2030年までに118億ドルに達すると推定されている。
人手不足やコスト削減などの解決手段の一つとして期待される協働ロボットだが、一方で課題もある。協働ロボットは人に危害を加えないよう、サイズや重量、スピードが制限されているのだ。安全性を確保するために必要な制限ではあるが、一般的な産業ロボットと比べると生産性がやや下回る印象だ。
そんななか、韓国発の協働ロボットメーカーであるDoosan Roboticsは、最新の協働ロボットシリーズ「Pシリーズ」を発表。5月に米国・シカゴで開催されたロボット工学とオートメーションの展示会『Automate 2024』にて、同社製品のなかで最高レベルの可搬重量とリーチを誇る新型の協働ロボットを公開した。
2023年に上場したばかりの韓国ロボットメーカー
Doosan Roboticsは、韓国財閥企業のDoosan Corporationグループが2015年に設立した協働ロボットメーカー。本社を構える韓国をはじめ欧州、中国、米国などグローバルに販売代理店網を設けており、2019年には日本の住友商事マシネックスと総販売代理店契約を締結した。

Image Credit:Doosan Robotics
2021年12月には400億ウォン(約3,000万ドル)、2022年1月には3,370万ドルを調達(参考)。そして2023年10月、上場により4,212億ウォン(約3億1,700万ドル)を調達し、同時点で韓国最大のIPOとなった。
Doosan Robotics最長のリーチを誇る「P3020」

Image Credit:PR Newswire
Doosan Robotics Unveils Max-Powered ‘PRIME-SERIES’ of Collaborative Robots at Automate 2024
同シリーズの新型「P3020」は、同社最長のリーチを誇る協働ロボット。可搬重量は30kg、リーチは2.03mで、床から2mの高さまでパレタイズすることが可能だ(高さ約20cmの箱を10段まで積み重ねられる)。