F1とフェッラーリの意外な共通点、それは”緻密なエンジニアリング”
場所、歴史、そして人間。確かに納得のいく話である。だが、他のワイナリーも大なり小なり切磋琢磨しているはず。さらに掘り下げてみると、興味深い話がでてきた。
「私たちはイタリアでトップクラスのテクノロジーを駆使したブドウの有機栽培を行っています。近年、数々のセンサーを搭載したロボットを導入しています。湿気がいまどれだけあるのか、周囲に畑を荒らすような動物がいないか、あるいは害虫に侵されていないか。そして、日照時間やそれによる影響などを計測し、データ分析をかけながら、ブドウの木の強さや、畑の状況などに応じて、細やかな対策を行っています。そして、圧搾機に入れるときには窒素を充填して、酸化対策も行っています。このように、さまざまな最先端のテクノロジーを駆使して、人の手による最高のブドウ栽培、最高のワイン造りに取り組んでいるのです」

これを聞いて初めて腹落ちした筆者。先に挙げられた3点も簡単に真似できることではないが、それを支えているのは最先端のテクノロジーであるという。ここにF1との共通点、緻密なエンジニアリングが存在したのだ。
フェッラーリ社には、実は昨年大きな変化があったそうだ。ワインに関する専門的な話になるが、それまで37年間務めていたシェフ・ド・カーヴ(最高醸造責任者)が引退したのだ。そしてその職責を引き継いだのは、ヴーヴ・クリコやシャルル・エドシックで多大な功績を残したフランス・シャンパーニュで最も有名な醸造家の一人であるシリル・ブラン氏。聞けばシャンパーニュのシェフ・ド・カーヴがイタリアのワイナリーにフルタイム参画するのは初めてのことだというから、それだけフェッラーリ社の実績、そしてこれからの可能性が評価されているということだろう。
正直なところ、ワインの世界の専門的な話はよくわからないが、聞けば聞くほど出てくる数々のストーリー。世界で名を馳せるということは、こういう努力の積み重ねなのだろう。F1はもとより、クルマづくりとも通ずる世界があると感じた。
フォトギャラリー(2024 F1日本GP)















こぼれ話:東京〜名古屋間のロングドライブを快適にしてくれたシトロエンC5Xプラグインハイブリッド
昨年同様、東京から名古屋までの移動は、程よい長距離を走れるいい機会でもあるため、今回もクルマ移動を選択。旅のお供に選んだのは、新型シトロエンC5Xプラグインハイブリッド(PHEV)だ。シトロエン特有のふわふわとした絶妙な乗り心地を味わいながら、片道約330kmの道のりを快適に移動できた。

プラグインハイブリッドであるがゆえ、都市部では電動モーターならではの滑らかな加速がその快適さを後押ししてくれる。急速充電には対応していないので、直接給電することは叶わなかったが、チャージモードにして走ればSOC(ステイト・オブ・チャージ=充電状態)は順調に回復してくれるので、都市部での走行をEVモードで専念させるためには、長距離移動時には高速走行中にチャージしておくのがよさそう。

日本における輸入車の多数を占めるドイツ車特有のコシが強く、リニアな操作性とは一線を画す、独特の世界観がそこにはあった。
提供元・CAR and DRIVER
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