倉庫、物流の自動化は長い歴史のあるテーマだ。倉庫は各国に建てる必要があり、そこで働くのもローカルの人間であり、連携するのもローカルの輸送業者なので、現地でのインテグレーションが重要になる。

膨大な人口と市場を抱える中国は世界最大の物流大国だ。アリババやJD.COMといった通販大手は一回のセールで5兆円以上を売り上げており、日常の買い物もほぼ通販で賄われている。

2024年5月8日~10日の3日間、中国・深センで開かれた深圳国際内部物流展「LogiMAT China 2024」(以下、LogiMAT)も、日本や西欧であまり見かけない企業が多く出展していた。

深セン市福田区のコンベンションセンターで行われた同イベント。B2Bの展示会なので規模は小さく、使用は8番ホールのみ。総展示数は100以下といったところだ。

BYDも純電動フォークリフトを出展

会場で目を引いていたのは、中国のEVを代表する会社の一つであるBYDの“電動フォークリフト”だ。

電動フォークリフトは筐体を小さくすることができ、排ガスを出さないので屋内でも利用がしやすく、事業用の電源を引いていれば充電スタンドの問題もいらない。EVブーム以前から、屋内の搬送車は多くが電動だったが、EVブームでそれに拍車がかかったように見える。なおBYDの電動フォークリフトは日本での導入事例も多い。

さまざまな国内企業が電動フォークリフトを開発

BYDだけでなく、さまざまな中国国内メーカーがフォークリフトを出展していた。

手前のものが電動フォークリフト、奥は同サイズのガソリン車

1978年創業の老舗、浙江省のUN forkliftは、ほぼ同じサイズで電動とガソリンの両方の筐体を展示。同社はドイツ製フォークリフトの販社からビジネスを始め、その約10年後に国産化したフォークリフトを販売開始。現在は海外にもシェアを広げている。

重さ5トンまで持ち上げられる大型作業機械を展示していたMiMA

安徽省合肥のMiMAは重さ5トンまで持ち上げられる大型の作業機械含め、さまざまな倉庫内機械を展示。フォークリフトだけでなく、友人・無人のさまざまな倉庫内作業機械をアピールしていた。

浙江省、安徽省共に上海の周辺に位置していて、中国の物流の中心地と言える。「世界の工場」である広東省では工作機械メーカーが目立つ中、物流サービスを支える企業が上海周辺から出てくるのは自然な流れと言える。