本来もがみ級で導入されるはずだった、3隻に4組のクルーを導入するクルー制の導入もされていません。人手不足を解消するためには、艦隊勤務の厳しさの緩和が必要です。そのためにはより多くの隊員が必要という問題がありますが、艦艇の隻数を減らしてもそれをやらざるを得ないのに、逆に哨戒艦まで増やしています。

クルー制を導入して、隻数を減らすべきです。それでも個別の艦の稼働率は上がります。身の丈にあった艦隊規模を目指すべきです。

合わせて航空部隊も無人機を導入するなどして、有人機部隊を圧縮すべきです。

潜水艦もどうなのでしょう。16隻から22隻になったわけですが、適性の面からも艦艇で一番人員の確保が難しい艦種です。現在の充足率は何割なのか、また将来的にそれを維持できる見込みはあるのか。

組織の規模にこだわる限り、海上自衛隊は自滅への道を進むでしょう。

東京新聞の記事にコメントしました。

「自衛隊全体が疲れ切った状態」…ヘリ衝突事故から見えた海上自衛隊の「課題」 任務が増え過ぎた理由とは 東京新聞

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

・航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情

月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。

軍事研究 2024年 04月号 [雑誌]

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。

次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する 次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1 駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用

編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年4月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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