オオハシの大きなクチバシの謎
オオハシの外見上最大の特徴となるのは、体長の3分の1ほどを占める大きなクチバシ。
体長60cmほどとオオハシの中では最大種であるオニオオハシのクチバシは、20㎝に達するほどの大きさです。
クチバシが大きい理由は?
クチバシが大きくなった理由は判明していませんが、現在3つの説が考えられています。
・細い枝の先にある果実をとりやすくするため
・仲間同士で個体識別するため
・警告色として威嚇に使うため
クチバシは重くないの?
重そうに見える大きなクチバシですが、中は空洞のためとても軽く、オニオオハシのクチバシでさえなんと十円玉3枚分ほどの重さなんです。
オニオオハシの体重500~850gに対して、クチバシの重さが約15g。
体の3分の1を占める大きさのクチバシの割にはとても軽いですね。
その一方で、ハチの巣と同じ六角形が規則的に並んだ「ハニカム構造」をしているため、軽いながらも丈夫さも持ち合わせているのです。
大きなクチバシがあっても飛べるの?
大きなクチバシを持つオオハシですが、クチバシは軽量なのでバランスを崩さずに飛ぶことができます。
とはいえ、あまり飛行自体は得意ではないらしく、飛び跳ねて移動することが多いようです。
クチバシは武器になるの?
クチバシを威嚇のために使うことはありますが、戦うときに武器として使うことはありません。
がんじょうではありますが、重量がないので、ぶつけたりする武器にするには適していないようです。
このクチバシは役に立つの?
知能が高いオオハシは、果実の皮をクチバシでむいて食べることもできます。
また、最大種オニオオハシのクチバシは体温調節の役割も担っています。
クチバシ内の血管を通すことで、体内の熱を逃がしているのだとか。
クチバシには車のエンジン温度を一定に保つ装置「ラジエーター」と同じ機能があったんですね。