年金暮らしに備え、頭金を多めに用意する、繰り上げ返済をする、といった対策も有効だ。

住宅ローンを組んでから10年過ぎたところで300万円を繰上返済した場合、残りの返済期間は17年5ヵ月となり、利息は34万8,531 円減少する。

● 当初借入額:3,500万円(ボーナス返済分はなし)
● 当初借入期間:30年(うち返済済み期間10年)
● 返済方法:元利均等返済
● 借入金利:初回から0.4%、11年目から0.6%
● 繰上返済は返済期間を短縮する前提で行う

※計算にあたっては繰上返済が「返済期間」の翌月に行われるものとしている。

不安3:家の価値が下がるかもしれない

「資産どころか負債になるかもしれない」

家の価値が下がることを危惧して住宅ローンを組まない、という人も一定数いる。前提として、そもそも家は人が住まなくても経年劣化により傷んでいくので、そういう意味では価値が下がらない家はない。

それでも気になるなら、なるべく価値が下がりにくい家を選ぶことが重要だ。まず、立地に目を向けると以下の点を満たす場所であればポイントが高くなる。

● 都心のオフィス街にアクセスしやすい
● 最寄駅から徒歩10分以内
● 周囲に商業施設や病院、公的機関などがあり生活に便利

また、家の構造も価値には影響する。可変性の高い間取りやリフォームしやすい構造であれば、売却時の査定額も高くなるだろう。

不安を感じたら専門家を頼ることも大切

ほとんどの人にとって、住宅ローンを組むのは人生で初めての体験になるはずだ。わからないことばかりで不安になるかもしれない。そんなときは、どんな些細な事でも良いので専門家に相談してみよう。今、無料でFPに相談できるサービスもあるので積極的に活用したい。

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文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。