「住宅ローンを組んだら最後…借金だから怖い」
「審査に落ちたらショック」
そんな風に住宅ローンに対し恐怖を抱く人が少なからずいる。
きっとそれは、審査基準や返済負担率といった、住宅ローンの現実的な要素に向き合っていないからだ。
今回は住宅ローンの3大不安と、それぞれの解消法を紹介する。住宅購入を検討している人はぜひ参考にしてほしい。
不安1:審査に落ちるかもしれない
「妻とあわせて年収500万…審査に通る自信がない」
住宅ローンの審査において、年収はチェック項目の1つでしかない。住宅ローンの審査ではさまざまな要素から、総合的に判断される。
住宅ローン審査の不安を払拭するためには、審査で重視される項目と、項目ごとの評価基準を知っておく必要がある。
金融機関によって異なるが、住宅ローンの審査では以下のような項目が重視される。
・年収
・勤続年数
・完済時の年齢
・個人信用情報
・返済負担率
・購入物件の担保価値
特に信用情報(クレジットカードやローンの利用履歴)は重要だ。以前カードローンの返済やクレジットカードの支払いで延滞したことがあり信用情報に傷がついている人は審査に通る可能性が低くなる。不安なら事前にJICCやCICで確かめてみよう。
また、審査において不安があるなら頭金の額を増やし、融資額を減らす方向で考えよう。金融機関にとっては貸す額が少ないほど負うリスクは少なくなるうえに、まとまった頭金を用意できるだけの経済的余裕があるなら問題ないと判断してもらえる可能性が出てくる。
不安2:毎月返済していけるのか
「本当に毎月返済できるのだろうか…」 という不安は、誰しもが抱える悩みだ。
住宅ローンを組めば、毎月一定の金額を滞りなく返済する必要があり、返済が滞れば担保に入れた物件が差し押さえられる可能性もある。
対策として、毎月の住宅ローン返済額を自分が「無理なく返せる金額」に設定すればよい。 その際は、50代、60代の収入・支出のバランス、「キャッシュフロー」をある程度予想しておくのがポイントだ。
返済額を設定する際に目安にするのが、「返済負担率」だ。
返済負担率とは、年収に対するローンの割合のこと。一般的には返済負担率が手取り年収の35%以内であることが「無理なく返済できる金額」とされている。
返済負担率35%の場合、それぞれの年収(手取り)における毎月の返済額は以下の通りになる。
<月収・年収(手取り)と毎月の返済額|返済負担率35% の場合>
● 月収50万円(ボーナス込み年収700万円):約20万5,000円
● 月収41万円(ボーナスなし年収500万円):約14万6,000円
ただし返済負担率は、ずっと一定ではなく、返済期間中のキャッシュフローにあわせて調整することが大事である。特に60歳を超えると現役時代より収入が減る。返済の後半では20%程度に抑えられるよう計画したい。