人気のツールキットM5Stackも初出展
深圳に本社を置き、日本にもユーザの多いIoTツールキットM5Stackもembedded worldに初出展。中国の新興企業を集めたChina New Connectionの一つである、Bluetoothモジュールを販売する深圳のMINEWや、Raspberry Piを使ってPLCカスタムソリューションを構築する上海のEDA TECなどと固まってブースを配置。
EDA TECブース。欧州の顧客といっしょに、YouTubeほかで公開するための事例インタビューや、テックYouTuberによる動画を撮影していた。
会場を回って営業していた、オランダのプロモーション会社。二人共テクノロジー分野でフォロワーを抱えるインフルエンサーだという。工業向けのembedded worldだが、コンシューマに近いブースを回って営業していたようで、M5Stackブースにも訪れた。
もともとembedded worldには多くの深圳ハードウェア企業が出展していたが、今年はM5Stackのような初出展企業がさらに増えていた。アイデアに溢れたCEO ジミー・ライ氏のもと、1年で60以上、毎週金曜日に新しいハードウェア製品をリリースするM5Stackは、今回のembedded worldでも現在開発中の新製品だけを集めたパネル「M5Future」を展示。既存品を並べたデモも含め、工業系の多い来場者に製品ラインナップをアピールしていた。
M5Futureパネル。欧州では省電力で広範囲の無線通信規格の一つLoRaへの関心が高く、M5Stackブースを訪れた来場者からもLoRa絡みの質問が多く、多くの来場者やパートナーと話したCEOジミー・ライ氏は、3日間のイベントを通じて新製品のアイデアも見つけたようだ。
embedded worldのさらなる拡大に期待
2023年の出展950社に比べて1100社と拡大し、会場もホール1、2、3、3A、4、4A、5と会場全域の7ホールを埋める規模に拡大している。コンピュータの進化に伴い、マイコンで制御される機器は増えつづけ、他の製品を置き換えている。
たとえば電気自動車には数百のマイコンが使われ、充電システムや発電システムを含めると数千・数万というオーダーになる。今回、規模が拡大した背景にはそうした影響がうかがえる。
消費者家電に比べて、産業用機器の切り替えは時間がかかり、情報化は今も重要なテーマだ。来年のembedded world 2025はさらに拡大が見込まれそうだ。
(文・高須正和)