かつては転職回数が多いと、企業側から「定着性が低い」「仕事への熱意が足りない」と判断され、選考が不利に働くこともあったようです。
しかし、今では「自己成長につながる」といったポジティブな意味合いで転職活動を行う人も増えてきています。前編では、過去6回の転職経験が書かれた『転職ばっかりうまくなる』の著者・ひらいめぐみさんに、自身の仕事との向き合い方について伺いました(6回の転職経験をつづった『転職ばっかりうまくなる』、著者・ひらいめぐみさんの仕事観【インタビュー前編】)。
後編は、ひらいさんが過去の転職経験から得た学びや、自分と合う会社を見つけるために選考時に実践できることを話してもらいます。
転職についていつ会社に伝えるべき?
転職を決めた人のなかには、まず会社にそのことを伝える人もいるでしょう。しかし、労働者には退職の事由が保証されているものの、なかなか会社から退職を認めてもらえないケースもあるそうです。
「2社目の人材系の仕事をしていたとき、自分が担当していた転職者が会社に辞職する旨を伝えたところ『あと半年待ってほしい』と言われ、なかなか辞められなかったケースがあります。
『新しいことにチャレンジしたい』『今の仕事が合っていない気がする』のように伝えると、『せっかく入社したからにはここで経験積んだほうがいいよ』と言われてしまい、断りづらくなってしまうのです。
なので、私はなるべく次の会社が決まっている状態で辞職することを伝えていました。収入が途絶える心配がないうえ、自身の転職活動をスムーズに進められるので、先を決めておくと安心です」
ひらいさんは転職活動をするにあたって、求人情報の探し方を特に意識していたといいます。
「最初は転職エージェントを通して面接を受けていました。エージェントはキャリアアドバイザーが面接対策や企業とのやり取りを行ってくれるメリットがあるものの、限られた求人のなかでしか応募ができません。
私は自分に合いそうな仕事を探すために、エージェントが紹介している求人情報ではなく、会社が直接掲載している求人情報をみるようにしました」
選考という場を活用して会社を知る
最近では、選考前に応募者と社員がリラックスした雰囲で話をして、会社の雰囲気や事業の方向性などを知ってもらう「カジュアル面談」というものがあります。
「私はWantedlyというサービスを使っていました。そこでは、直接会社の人たちとやり取りができ、興味のある会社に直接アプローチできます。話を聞くだけのカジュアル面談も可能なので、私のようにまずは雑談ベースで話をしたいという人には向いていると思います」
選考は、単に試験を受けるだけのものでなく、会社の雰囲気を知る場でもあるといいます。
「選考時に周りの様子を観察するようにしていました。たとえば、すれ違う社員さん同士が挨拶している様子や、エレベーターで偶然乗り合わせた社員さんの服装や話し方などを見て、人との関わりを大切にしている会社なんだと感じたこともあります。
あとは、面接が終わってからオフィス内を見学させていただくこともありました。私は職場環境を気にする方だったので、オフィス内は開放的かどうか、明るい時間帯はブラインドを上げているかどうかなど、個人的に確認したいところが見られてよかったです」