■息子を捨てて脱北した両親

 作品のメインのストーリーは脱北した後に中国、ベトナム、ラオス、タイを経て最終的に韓国に逃れた家族を追った密航ドキュメンタリーである。

 この家族もそうだが、これまでの何千人もの脱北者は現地の密航業者に頼っている。この家族は中国に入ってから韓国に入国するまで50もの現地ブローカーの道案内で移動距離1万2000キロメートルにもおよぶ苦難の逃避行を成し遂げたのだ。

 24年間にわたり亡命希望者を支援してきた韓国在住のキム・ソンウン牧師は「心配するだけで精神的に疲れてしまう。旅の中で最も大変なのは、ジャングルを不法に横断しなければならないことだ」と語った。

人々が拷問され飢えに苦しむ…北朝鮮の「地上の地獄」強制労働収容所の恐怖
(画像=「Daily Star」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 ある脱北者は以前、あまりにも劣悪な環境で暮らしており「拷問の被害者のように思えた」と英紙「Daily Star」に語った。

 脱北者のティモシー・チョー氏はわずか9歳のとき、両親は息子を捨てて国外に逃亡した。

 孤児となった彼は町から町へ移動して食べ物をあさり、満足に眠ることもできない暮らしを余儀なくされた。彼と他のホームレスの子供たちの一団は一緒に行動したが、状況は悲惨だった。

「駅で目が覚めたら、背中がひどくかゆみを感じました」と現在34歳のティモシー氏は語る。

「何が起こっているのか友人に尋ねると、たくさんのトコジラミが私の背中の皮膚の奥に食い込んでいて、本当にひどい状態だったと言いました。

「痛みやかゆみは忘れません。私は彼にそれらをすべて殺すように頼みました。トコジラミが皮膚の下にいるときは、針を使って突いて、これらのトコジラミをすべて殺す必要があります。私の背中は血が流れ出ていて、かなりひどい状態でした」(ティモシー氏)

 ティモシー氏は恐怖は絶え間なく続いたと付け加え、隣で寝ていた2人の子供が死亡し、翌朝彼らの遺体がゴミのように回収されたことを覚えていると語った。

“地上の地獄”から逃げ出したくなるのは当然だが、現在の北朝鮮の体制がこのままこの先も長らく続いていくのかどうか、今のところはその動向をチェックしていくほかはないのだろう。

参考:「Daily Star」ほか

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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