「農業の人手不足」が世界で叫ばれている近年、その解決策として畑にロボットを投入しようという動きが活発になっている。
多くのロボティクス企業が農業市場へ参入する中、イスラエルのスタートアップであるBlueWhite(旧:Blue White Robotics)は、自律走行型トラクターによって「人手のいらない農業」の実現させようとしている。
果樹園を走る無人トラクター

Image Credit:BlueWhite
この時点でBlueWhiteはアメリカ・カリフォルニア州とワシントン州で15万エーカーの土地で活動し、5万時間以上の稼働実績を重ねている。

Image Credits:BlueWhite
CEOのベン・アルフィ氏は、イスラエル空軍に25年間在籍していた人物。最先端の軍事技術を目の当たりにしてきたアルフィ氏は、自身の経験から無人トラクターを使用する自律型農業の着想を得て、BlueWhiteを設立するに至ったという。
BlueWhiteが公開している動画では、1台のトラクターが果樹園の合間を縫うように走行している。牽引している車両からは除草剤が散布されている。ところが、トラクターの運転席には誰もいない。
BlueWhiteはこうしたトラクターの運用を、先に書いた3,900万ドルを活用して新たな市場へと拡大するという。
なお、同社は既存のトラクターに自律システムを後付けできるレトロフィットキットを提供している。このキットにより、農家は初期投資の負担を抑え、効率的な生産を目指せるだろう。
農業は「机の上で行う仕事」に?

Image Credits:BlueWhite
たとえば農業という仕事が、これまで以上に「楽」「安全」となれば、食糧問題を解決できるかもしれない。
BlueWhiteの自律型トラクターは、単一のプラットフォームで管理・運行することが可能。つまり近未来の農業は、徹頭徹尾机の上で作物の収穫を見届けるスタイルになる可能性もある。