1969年10月30日の夜、ニュージーランド北東部のセントラル・ホークス・ベイ地区にて、事件発生から半世紀以上が経つ現在も謎に満ちた「ワイプクラウUFO事件」(※)は発生した。

※ UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。最初のUFO目撃談とされる1947年の「ケネス・アーノルド事件」で、実業家のケネス・アーノルドが目撃した飛行物体について「水の上を滑る円盤のように」動いていたと描写したことから、宇宙人の乗り物を「空飛ぶ円盤(flying saucer)」と言うこともある。

 
 当時、飛行場で夜間の警備にあたっていたジョン・カドビー氏は、巨大な浮遊物体が、航空機の格納庫の天井に立っている吹き流しのポールを切断するのを至近距離で目撃している。すぐに警察署に一部始終を報告しに行くと、すでに近隣の住民から何件も目撃情報が寄せられていたという。

 過去にトカナでは、複数人が同時に不審な飛行物体を目撃しているにもかかわらず、いまだ解決の糸口が見えない迷宮入りのUFO事件として、この事件を取り上げている。やはり円盤の正体は、何らかの事情でこの地へ不時着しようとしていたUFOだったのだろうか? 2019年の記事を再掲する。

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※こちらの記事は2019年11月29日の記事を再掲しています。

 50年前にニュージーランドで複数人に目撃されたUFO事件があった。そのうちの1人は至近距離からその謎の飛行物体を見上げ、円盤型の機体をはっきり確認しているのだ。

飛行場の低空に巨大な浮遊物体

 目撃者が複数人いるUFO目撃事件では、たいていの場合、その正体に関するいくつかの可能性が挙げられてくるが、なかにはまったく解明の糸口がないケースもある。50年前にニュージーランドで起きたUFO目撃事件もその1つだ。

 1969年10月30日の夜、ニュージーランド北東部のセントラル・ホークス・ベイ地区でUFOが至近距離から目撃されている。

 セントラル・ホークス・ベイ地区の最大の街・ワイプクラウにあるワイプクラウ飛行場で夜の巡回警備の任に就いていた警備員のジョン・カドビー氏は、飛行場に隣接する牧草地に何か異変を感じた。

 放牧されている羊たちが、何かにおびえて1カ所に集まっているように見えたのである。職場に連れてきて、放し飼いにしている犬の様子もどこかおかしかった。そして、掃除機が発するようなハミング音が辺りに響いていることに気づく。

謎に満ちた「ワイプクラウUFO事件」とは? 羊の異常行動と爆発音
画像は「NZ Herald」より引用(画像=『TOCANA』より 引用)

 格納庫の窓に異常な光が反射しているのを見つけた犬が吠えると、カドビー氏は窓に映る緑、赤、緑と並んだ3つのライトを目撃。そして、ハミング音はなんと空中でホバリングしている「大きな物体」から発せられていることを知る。

 身の危険を感じたカドビー氏は自分の車に乗り込んだ。ライトを点灯させ、車の中からこの謎の巨大な浮遊物体を観察すると、直径は20メートルほどもあることが確認できた。そして、ハミング音は次第に大きくなってきていた。

 巨大UFOはカドビー氏の車のほうに向かって傾きはじめたのだが、航空機の格納庫の天井に立っている吹流しが非常に速く回転しはじめ、きしむ音を発していたという。そして次の瞬間、吹き流しのポールがまるで居合の巻き藁斬りのように切断されて落ちたという。

謎に満ちた「ワイプクラウUFO事件」とは? 羊の異常行動と爆発音
画像は「ExoNews」より引用(画像=『TOCANA』より 引用)