アオイソメ

安価で強いので使いやすく、数多くの釣りジャンルで利用されているポピュラーなエサのアオイソメ。実は日本には生息していないゴカイで、アオゴカイという名で中国や韓国から年間を通じて供給されています。

キス釣りの基本とコツ 『虫エサ』3種の使い分けを意識しようアオイソメ(提供:TSURINEWS編集部 松村)

エサとして輸入されているのは、小型のものから体長25cmくらいの大型もあり、エサ店で大(太)、中、小(細)などと分けられて販売されていることが多いです。キス釣りに使用するなら、基本的に小(細)サイズを選んで購入しましょう。

キス釣りの基本とコツ 『虫エサ』3種の使い分けを意識しようキスには小(細)がオススメ(提供:TSURINEWS編集部 松村)

置きザオでの良型狙いに最適

全体に身体が柔らかく吸い込みはいいものの、イシゴカイに比べると全体に大型が多いので、キス釣りでは引き釣りよりも、置きザオでしっかりと食わせる釣りに適しています。小サイズでもまずまず長いので、適当な長さに切って使いますが、イシゴカイのようにあまり短く切って使うと効果がない場面が多い印象です。

実は発光しないアオイソメ

よく言われるのは「アオイソメは光るので夜釣りにいい」。しかし、実験ではアオイソメが光るのではなく、アオイソメに付いた微生物が光っていることが多く、アオイソメ自体は光らないことが分かっています。それでも、夜釣りに強いエサであることにかわりはなく、キスの夜釣り、特に置きザオでの釣りでは効果を発揮します。

保存方法は10度前後が適温なので、冷蔵庫の野菜室などがオススメです。しっかりと管理すれば4、5日は持ち、毎日海水で洗えばさらに長持ちします。ただし、弱ってくると身体が柔らかくなり、身切れを起こすのであまり長期間の保存はやめましょう。

チロリ(東京スナメ)

関東では東京スナメとも呼ばれるチロリは、多毛類のチロリ科に属する生き物で、普段泥底に住んでいます。市場に出始めてまだ10数年といった新しいエサで、当初はキス狙いというよりは、夜のマダイ狙いに効くエサとして登場しました。チロリも国内には生息しておらず、釣りエサとして中国から輸入されています。低温に弱く、釣りエサとして出回るのは5~10月くらいとなります。

キス釣りの基本とコツ 『虫エサ』3種の使い分けを意識しようチロリ(提供:TSURINEWS編集部 松村)

特徴としては、力を抜いた状態?のだらんとした柔らかさと、締まった時の硬さが非常にメリハリのある虫エサです。そして、動きも他の虫エサと違って、素早くキュッと締まったかと思えば、だらんとしたりとにかくよく動くエサで、動きはミミズに似ている気もします。

反応の善し悪しが明確に出る

このチロリは日中のイシゴカイ、夜のアオイソメの利点を兼ね備えた虫エサですが、キスの反応がいい時と悪い時が明確に別れる印象です。以前からかなり万能なキスの引き釣り用エサとして愛用されていますが、それでもイシゴカイと併用するとチロリには全くキスが見向きもしなかったり、逆にチロリにばかり食ってきたりと日によって偏りが出る傾向があります。

引き釣りの場合は、1cmくらいの長さに切ってハリの軸いっぱいに刺して使います。夜釣りの場合はアオイソメ同様、4、5cmに切って少しタラシを出します。特に夜の大型キスの特効薬的なエサですが、マダイなどもよく釣れるため、このエサを使用する時は大型魚がヒットしてもいいように太仕掛けを使用するといいでしょう。

キス釣りの基本とコツ 『虫エサ』3種の使い分けを意識しよう引き釣りでは短くカット(提供:TSURINEWS編集部 松村)

上記の2種よりも低温には弱く、釣行時もあまりクーラーボックス内で氷に近づけないようにしておきましょう。イシゴカイ同様、釣りエサに使用するための保管は2、3日で、弱ると極端に動きが鈍くなり食いも悪くなります。また、個体差がかなりありますが、元気なチロリでもハリに刺そうとすると、自切して切れ切れになるものもいます。