キス釣りの代表的なエサ3種
エサをハリに刺して投げ込むので、外れやすいエサは使いにくく、ゴカイなどの虫エサが使われることが多いです。また、虫エサは軸の長いハリに刺すことでまっすぐになり、エサを吸い込むように捕食するキスに向くという理由もあります。
よく使われる虫エサは「イシゴカイ(ジャリメ)」「アオイソメ」「チロリ(東京スナメ)」の3種類。イシゴカイやアオイソメは通年流通しており年中使われ、チロリはキスには非常に有効なエサではあるものの、寒さに弱いため、ほとんど夏季限定の釣りエサとなります。
ちなみにゴカイの仲間は環形動物門多毛綱の多毛類に属する動物です。いわゆるゴカイはもちろん、嫌われもののウミケムシなども含まれる大きな分類群で、世界に8000種以上が知られており、まだまだ未分類の種類も多いです。
イシゴカイ(ジャリメ)
イシゴカイは多毛類のイシイソゴカイという名で、イシゴカイ、ジャリメ、砂虫などと呼ばれるポピュラーなエサです。1980年代に養殖技術が確立して、現在は大半が養殖物ですが、希に中国から輸入されてきているものもあります。
使い方としては何と言っても日中の引き釣りやちょい投げのエサとして重宝されます。先ず、昼間にキスを釣るなら必携したいエサです。
動きだけじゃないイシゴカイの魅力
特徴は細くてよく動く点。また、身体が柔らかいのでキスの吸い込みもよく、投げ釣りでは引き釣りでの数釣りに多用されます。このイシゴカイ、動きでアピールするだけかと思いきや、そうではなく1cmほどに切ってハリの軸いっぱいに刺したくらいでもキスがよく釣れます。ということは、イシゴカイのニオイや成分そのものがキスに好まれていると推測できます。
ただし、夜釣りで使うと、日中ほど効果が得られず、日が暮れると急にイシゴカイが触られなくなるシーンに遭遇することが多いです。例外もありますが、どちらかというと日中に強いエサと認識しておくといいと思います。
キスに合わせて長さ調節
爪楊枝を少し太くしたくらいの大きさで、体長は長くてもせいぜい7、8cm。これをキスの食いに合わせて切ったり、1匹掛けにしたりして使います。キスの食いに合わせて……というのが少々難しく、1匹掛けでないと反応しない時や、タラシ(ハリから出た部分)が長いとそこばかりかじり取られたりします。釣りをしている最中にアタリの出る刺し方、ヒットしやすい刺し方を毎回試してみてその日のパターンを見つけましょう。
保存については低温には弱く、15度前後が適温となるため、日陰やクーラーの効いた部屋なら部屋の中に置いておくぐらいが、活きの良さを保てます。ただ、そう長くは持たず、死ぬとすぐにとろけてきて、その体液が周囲のイシゴカイをも弱らせてしまうので、2日くらいをメドに保管しましょう。