「ミシュランマン」とは一体何者?

なぜ白い?ミシュランマン誕生秘話黒いタイヤに隠された白い秘密
©Ricochet64/stock.adobe.com(画像=『MOBY』より 引用)

フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」には、白くてモコモコとしたフォルムのキャラクターがいます。

日本では『ミシュランマン』の愛称で知られている彼の本名は『ムッシュ・ビバンダム』。

生まれたのは1898年。1世紀以上も前に誕生し、今なお世界中で愛され続けているキャラクターです。

ミシュランマン誕生のきっかけ

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1898年に制作されたビバンダムのポスター(画像=『MOBY』より 引用)

ミシュランマン誕生のきっかけは、1894年にフランス・リヨンで開催された博覧会。ミシュランはブースを出店し、大きさの異なるタイヤを山のように積み、来場者を出迎えていました。

その際、積まれたタイヤを目にしたエドワール(創業者であるミシュラン兄弟の弟)が、『腕を付けたら人間になるじゃないか』と兄のアンドレに呟いたそう。この言葉が、アンドレの頭の中に残ったのです。

ほどなくして、アンドレはオ・ギャロ(広告デザイナー)と会ったのですが、ビール会社用に描いた作品の中で、”ボツ”になったデザインに目がとまりました。

それは、大柄な男と「ヌンク・エスト・ビバンダム(今こそ飲み干す時)」というセリフが描かれたもの。釘やガラスなどが入ったグラスをこの男に持たせれば、『空気入りタイヤは何かしらの障害物があっても乗り心地が良い』ということをアピールできると考えたのです。

障害物を飲み込もうとしているイラストは、タイヤがショックを吸収することを表すのにもピッタリ。アンドレは、オ・ギャロに自分のイメージを伝えてクロッキーを描いてもらい、ついに1898年4月、ミシュランマン(ビバンダム)が誕生しました。

誕生当時は、まだ名前が決まっていなかった?

今でこそ「ビバンダム」「ミシュランマン」といった名で呼ばれていますが、誕生当時、実は名前が正式に決まっていなかったといいます。

1898年7月に開催された「パリ・アムステルダムレース」にて、とあるレースドライバーから『あ、ビバンダムが来た!』と言われたそう。この表現をアンドレ自身が気に入り、以後「ビバンダム」と呼ばれるようになりました。

フランスでは「ビバンダム」や「ビブ」という名で呼ばれており、他の国では「ミシュランマン」という名で知られています。