統一地方選挙前半戦のうち4月9日投票の9知事選のうち、前回は徳島と奈良を取り上げたが、今度は大分である。
今回は、大分を取り上げる。前回と同じく過去の経緯などは、選挙ドットコムの記事に詳しく書いたので、ここでは、今回の知事選挙の少し突っ込んだ感想だ。
大分県知事選挙/地方自治闊達な地で繰り広げられる互角の戦い『Gの系譜(3)~歴史からひもとく注目の知事選~』 選挙ドットコム
大分知事選挙には、前の参議院議員で任期を二年半残して立候補している無所属・新人の安達澄(53)と前の大分市長で元経済産業官僚、無所属・新人の佐藤樹一郎(65)の2人が出馬し、一騎打ちとなっている。
大分県知事と言えば、現在の広瀬勝貞(2003年就任)の前任者である平松守彦(1979年就任)が、「一村一品運動」などで全国的知名度を誇った。平松知事は6期24年在任して、通商産業省(現経済産業省)の後輩である広瀬知事に禅譲した。広瀬は5期20年つとめたのち、後継者指名はしなかったし、選挙運動にも積極的にはかかわっていないが、やはり経済産業省の後輩である佐藤樹一郎候補(前大分市長)が後継候補とみなされている。
佐藤樹一郎は、1957年生まれで、地元の高校を卒業したのが、平松の副知事就任の年である。東京大学法学部から通商産業省に入省し、米国に二度勤務し、中小企業庁次長で退官し、JSR(化学工業の企業)に再就職したのち大分市長選挙に当選した。