■ヤコブの骨棺(紀元1世紀:イスラエル)
ヤコブの骨棺(James Ossuary)は歴史上最も貴重な聖書の遺物であると一部では信じられている。この石灰石の箱にはイエスの弟と称される人物の骨が入っていたと言われており、それが正しければ、イエス一族の墓との最初の物理的なつながりとなる。
ヤコブの骨棺には「ヨセフの子ヤコブ、イエスの兄弟ヤコブ」と書かれたアラム語の碑文が刻まれている。
骨棺は一枚の石灰岩から彫られており、1世紀のパレスチナのユダヤ人が使用した典型的な埋葬箱で、当時、遺体は洞窟に1年間放置され、その後に骨が集められて骨棺に納められていた。
ヤコブの骨棺は、ここ数十年で最も物議を醸した偽造事件を裁判を招いている。イスラエル古遺物庁(IAA)は法廷で、これらの品物が古美術収集家のオデッド・ゴラン氏によって偽造されたものであることを証明しようとしたが、裁判では敗訴した。
その後、IAAがヤコブの骨棺の所有権を取得しようと試みたが、それも失敗に終わった。また骨棺は所有者に返される前にイスラエル政府によって破壊されたとも言われている。