夫が亡くなっても妻のローンは残る
もちろんデメリットもある。もっとも大きなデメリットといえるのが、もし夫が亡くなった場合、妻のローンは残るため返済を続けなければならないという点だ(債務者が夫の場合)。夫単独での借り入れ、または収入合算タイプでは、夫が亡くなった場合は、夫が加入する団体信用生命保険(団信)からすべての残債分が支払われるため、ローンを返済していく必要がなくなる。一方、ペアローンは夫婦それぞれが団信に加入するため、夫が亡くなっても妻のローンは残り、妻は返済を続けなければならない。
もうひとつのデメリットは、物件の持分は夫婦で按分するかたちになるため、離婚した場合の対応が難しくなるという点だ。どちらか一方が物件に住み続けてローンを一本化する場合は改めて審査や手続きが必要となり、ペアローンは借入額が高額になる傾向があるため“ひとりで2人分”の返済をしなければならないというのは重い負担となる。
大手銀行行員はいう。
「個人的には、夫婦ともに辞める可能性もなく、かなり安定した企業に勤めていて、かつ2人ともに高収入であるというレアなケースを除けば、ペアローンはお薦めしない。夫婦それぞれが団信に入るということは、もし妻が亡くなれば妻分のローンの残債がゼロになるというのは世帯全体でみれば一つのメリットといえなくもない。だが、やはり通常のローンでは夫が亡くなると世帯が抱える残債がゼロになって、妻が返済していく必要がなくなるというのは、かなり大きいというのが現実だろう。
加えて、離婚する際には物件をどうするのか、ローンをどうするのかについて、険悪な夫婦関係のなかで面倒な話し合いや手続きをしなければならないというのもキツイ。売却してそのお金でローンをすべて返済するというのが現実的な選択肢になってくるだろうが、売却金額が購入金額を下回れば大きな損を抱えることになる。
なので、ペアローンのメリットとしては、どうしても高額の物件を購入したいような場合に、より高額な借り入れができるということくらいではないか」
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?