Amazonや楽天市場は2C(to C)マーケットプレイスである。すなわち、一般消費者向けのサービスだ。
単に一言「マーケットプレイス」といえば、ほとんどの人は2Cを連想する。しかし、世界ではB2B専用マーケットプレイスが朝の太陽のように頭角を表しているのだ。
この記事ではマレーシアのB2B卸売プラットフォーム「Lapasar」について解説しよう。同プラットフォームは、小規模店舗が販売する商品から会社の備品まで、あらゆるB2B取引を想定したサービスを展開している。
「品切れの商品の補充」は大変な仕事
マレーシアではどこにでもある小規模小売店。食品や日用品など、生活に必要なものはここに行けば買うことができる。現地の人々にとっては、コンビニよりも利用頻度が高い「地域経済の中核」だ。
@lapasar.comLapasar adalah aplikasi borong yang menolong peruncit kecil dengan penghantaran stok yang laju & percuma.♬ original sound – Lapasar
しかし、タイミングが悪く品切れを起こしている場合も多々ある。それを説明するために、ここでは上の動画のやり取りを解説したい。
「おじさん、エクストラジョス(東南アジアで広く消費されている粉末エナジードリンク)どこ?」と客に質問された店主は、店の奥の店を指差す。ところが、エクストラジョスの箱には肝心の在庫がない。
「OK、また明日来るよ」と客に言われた店主は、早速スマホを取り出して卸売業者に電話する。しかし、なかなか出ない。仕方なく店主は別の卸売業者に電話するも、こちらもつながらず。「品切れの商品を発注する」というのは、文字で書くよりも面倒な作業だ。

Image Credits:Lapasar
Lapasarのスマホアプリでオンライン発注をすれば、倉庫から商品が直送される。発注業務の負担が大幅に軽減されるという仕組みだ。
「進化した問屋」は経済を下支えする
こうしたオンライン卸売サービスは、今や東南アジア全体に拡大している。
GDPの大部分を稼ぎ出し、雇用の受け皿になっているのは大企業ではなくMSMEs(中小零細企業)である。これを大資本の店舗が潰してしまっては元も子もない。
MSMEsをそのまま活用しつつ、旧態依然の仕組みに甘んじている彼らのDX化を促す方法は何か。問屋すなわち卸売業を進化させるしかない。

Image Credits:Lapasar
それでは、あらかじめ多めに商品を仕入れておけばいいという意見もあるかもしれない。これには小規模店舗には在庫に余裕を持たせるだけのストレージがないという事情と、もしも多く仕入れた商品が売れなかったらそのまま経済的損失になってしまうという問題がある。
そうした理由から、急な発注にすぐさま対応できるオンライン卸売サービスに大きな期待がかけられているのだ。