急速に市場拡大を続けるスマートグラス分野で、AI搭載製品が次々と登場している。2024年2月にはシンガポールのBrilliant LabsがマルチモーダルAIアシスタント搭載の「Frame」発売を発表。また、4月下旬には機能追加により「Ray-Ban|Meta Smart Glasses」がマルチモーダルAIグラスに進化するとMetaが発表している。

中国大手のTCL RayNeoが1月開催のCES 2024にて発表したAI搭載スマートグラス「RayNeo X2」は現在、クラウドファンディングサイトIndieGoGoにてプロジェクトを実施。700人超の支援者から8000万円近い資金を集めた。

Image Credits:IndieGoGo/RayNeo

同社からは76グラムの軽量かつ高映像クオリティを実現した「RayNeo Air 2」が2月に発売されたばかりだが、最新フラッグシップモデルである「RayNeo X2」の最大の特徴は、AIを搭載した点だろう。

翻訳やナビなど便利な機能が満載

AIアシスタントや顔追跡翻訳機能に一人称視点での動画・写真撮影機能、3DoFナビゲーションなどにより、ユーザーの日常とARをシームレスに統合する「RayNeo X2」。CESでも視覚的なパフォーマンスと高度なAl機能が高く評価された。マルチモーダルLLMとGPT with Visionの技術を搭載した同製品により、AIアバターとコミュニケーションできる“AI+AR”の世界を体感できるという。

顔追跡機能を備えたリアルタイム多言語翻訳ツールとして、海外旅行はもちろんビジネスや教育現場、外国映画の鑑賞といった場面で活躍する。クリアなサウンドで日本語を含む8か国語の翻訳が可能で、相手とアイコンタクトを取りながら自然な会話ができる。

また、X2に目的地を指定するだけでナビゲーションシステムによって直接視界に3Dルートが表示されるため、何度もスマホを取り出す・ロック解除・地図を確認といった手間が省ける。100か国以上の地図が網羅されているため、旅行先でもハンズフリーの快適な移動が可能だ。

Image Credits:RayNeo

また、スマホであれば逃していたかもしれない突然のシャッターチャンスでも、FPV(一人称視点)のスマートグラスなら逃さず撮影。画面がオフの時でもテンプル(眼鏡のつる部分)をスライドさせれば、手ぶれ補正機能付き1600万画素の高精細カメラが鮮明な画像を素早く撮影する。

Image Credits:IndieGoGo/RayNeo

さらに、視覚ガイドで楽器を練習できるRayNeo Ethereal Drum、ARボウリングやGluttonous Snakeといった没入型エンターテイメントを楽しめるゲーム機能も備わっている。