富裕層と庶民で差が広がり続ける、海外旅行というレジャーの行く末とは

 今後、ハワイに限らず海外旅行全般は、日本人にとって「庶民の贅沢」を超えるものになってしまうのだろうか。

「円安と日本の所得が低迷し続ける限りは、海外旅行のハードルが上がり続けることは間違いないですね。リベンジ消費で旅行に行ける可処分所得がある人ならいざ知らず、物価が上がる一方で所得がなかなか増えない庶民目線でいえば、コロナ禍による長い外出制限で、海外旅行がこれまで以上に特別な存在になってしまったはずです。コロナ前の2019年では、日本人の年間海外旅行者数は2000万人を超えていましたが、そのレベルに達するのは簡単ではないと思います」(同)

 最後に、今後ハワイ旅行が身近なレジャーとして戻ってくる可能性について聞いた。

「海外旅行が回復するポイントは2つです。ひとつは日本政府の水際対策の緩和のタイミング。訪日外国人のみならず日本人の海外旅行者にも、日本入国の条件としてワクチン接種や国によっては陰性証明書などの制約が課せられ、大きなハードルとなっています。世界の国々は入国規制を撤廃し、正常化している中で、日本はいまだに厳しい水際対策を堅持しています。水際対策が緩和され、開国が進めば国際線航空便の復帰や増便も促され、価格も手頃なものになっていくでしょう。

 もうひとつは、為替相場の動きです。円安は確実に海外旅行にはマイナスに働きます。これが長期的な動きとなると、ハワイは“気軽な旅行先”から“憧れの旅行先”へ変わってしまう可能性があります。為替レートは、日米金利差や経済状況によって変動しますので、日銀の金融政策や政府の為替政策の変更があるのかも注目ポイントですね。

 一方で、インバウンドには、円安は絶好の機会です。外貨を稼ぐインバウンドによって経済効果が高まれば、為替を安定化させる力が働きます。また、国際線航空便の増便も期待できるので、その意味では、海外旅行のためにもインバウンドは重要だといえます。

 いずれにせよ旅行に行きたいという人間の欲求がなくなることはありません。またコロナ禍の影響で、旅の大切さを考え直した人も多いと思います。その意味では、旅に対する価値観が変わり、よい良い旅をしたいと思う人は増えているのではないでしょうか」(同)

 鮫島氏いわく、日本人観光客の激減でハワイの人々にとっての“太客”は今、ニューヨーカーになってしまっているという。刻一刻と変わっていく日本人とハワイの関係の行く末が明るくなることを願うばかりだ。

(文=A4studio)

提供元・Business Journal

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