イギリスで一人の女性が逮捕された。女性の名はバーバラ・クームズ(63)。2018年7月、実の父親を殺害した罪で9年の懲役刑が確定したが、この近親殺人の背後にはおぞましい真実が隠されていたことが明らかになった。
英紙「The Guardian」(2018年7月11日付)によると、バーバラが警察署に出頭したのは同年1月7日。87歳(当時)の第二次世界大戦の退役軍人である父親を12年前に殺害したことを自供した。当局はすぐに殺人事件として捜査を開始、2日後に自宅の庭に埋められたケネス・クームズの遺体を発見した。
バーバラは殺害の動機として、5歳の頃より40年以上にわたる性的虐待があったことを告白。父親の“性奴隷”として数百回もレイプされたと語った。バーバラの法廷弁護士によると、バーバラの初の子で、出産後すぐに死亡したデイヴィッドは父親であるケネスとの間にできた子である可能性もあるという。
バーバラによると、6歳~9歳の頃にはケネスに“写真クラブ”に連れて行かれたことがあるそうだ。そこには複数の成人男性が待ち構えており、そこでバーバラは自身の幼い性器を露出するよう強要されたという。このような性的虐待はバーバラがケネスを殺害するまで続いたというから恐ろしい。バーバラが50代になっても、ケネスはバーバラの乳房をたびたび触ることがあったそうだ。そのような境遇のためか、バーバラには友だちがおらず、趣味もなく、働いたこともなく、地元を離れたこともほとんどなかったという。
そして2006年1月のある日、バーバラは父親の所有物である写真を偶然発見する。そこには、ケネスが撮影した幼いバーバラの裸体写真とともに、他の少女たちの裸体写真もあった。この時、バーバラの中で何かが弾けた。自分だけが父親の犠牲者ではないことを知り、「暗い雲が心を覆った」という。
バーバラはガーデニングに使っていた鋤(すき)を持ち、自宅のリビングでくつろいでいたケネスの後頭部を殴打した。ケネスはバーバラに向きかえって、なぜこんなことをするのか聞くと、バーバラは「(父親が)自分に致命的な怪我を負わすか、殺すかもしれないことを恐れている」と答え、鋤の鋭い刃でケネスの首を掻き切ったという。