「カレーハウスCoCo壱番屋」などのフランチャイズ運営を行う株式会社スカイスクレイパーの新社長に就任する諸沢莉乃さんにU-NOTEがインタビュー。諸沢さんは、15歳からアルバイトとして入社し、高校卒業後はフリーターとして働いていました。



後編では、15歳でアルバイトとして入社した諸沢さんが、仕事をする上で大事にしていること、心がけていることなどについてお聞きしました。

インタビュー前編はこちら。

お客様だけでなく、仲間のことも観察している

ーーー諸沢さんが仕事をする上で大事にしていること、心がけていることについて教えてください。

やはり接客業なので、お客様を重視するのは当然なのですが、お客様を観察するのと同じくらい、一緒に働く仲間も観察しています。「今日、ちょっと声のトーンが低いな」とか「昨日とちょっと顔つきが違うな」と感じたら、向こうから何か相談される前にすぐに声をかけるようにしています。

ーーーそれって自分の仕事だけやっていたら、なかなか目がいかない部分ですよね。

(アルバイト時代に憧れていた)先輩にかつて声をかけてもらっていたからこそ、今の自分がいるので、今度は自分が同じことをして、少しでも昔の私のように「こういう人になりたいな」と感じてくれる人が増えたらいいなと思っています。高校生の私は、自分から「ちょっと話を聞いてくれませんか」と言い出せなかったので。



今もきっと自分から周りに何か言い出せない人ってたくさんいると思うんです。なので、こちらから意識して、声をかけることをすごく大切にしています。



お客様に対しても同じで、意識して目をよく見るようにしています。カレーを提供して終わるだけではなく、また来たいと思ってもらえるように、カレーと良い空間、良い接客サービスも一緒に提供できるよう心がけています。

他の人たちの良い部分を真似して自分のスタイルに

ーーー仕事で失敗した時のリカバリーの方法について教えてください。

仕事で失敗したことはもう数えきれないくらいありますが、とにかくまずは素直に謝ること、次に、どうしたら同じミスが起こらないかについて自分で考えること、そして考えてもわからない時は人に聞くことです。

特にどうしたら同じミスが起こらないようにできるかについては、注意してくれた人に対して「◯◯さんはどう気をつけていますか」と質問するのを心がけています。

ーーーそれはまずご自身で解決案を考えてから他の方に聞いていますか?それとも早い段階で他の人に聞くようにしていますか?

まずは自分で1つの解決案を考えてみてから他の人に聞いています。自分の考えと他の人の考えを、答え合わせするような感じですり合わせています。

その時、自分はここまでのことしか考えていなかったけれど、先輩はもっと広い視野で、俯瞰して見ているんだなと、新しい考えをもらうことも多かったです。

ーーー広い視野で俯瞰するというのは、先ほど出てきた、お客様やスタッフを観察することに通じるのかなと思ったのですが、諸沢さんはどのようにして俯瞰することができるようになったのでしょうか。

以前の私は本当に周りを見ることができていなくて、何か言われたらそれしかできなかったんです。それこそ、席を広く使ってもらわなきゃという意識に気を取られて、お客様が飲みかけのものを下げてしまうとか(笑)。



当時の店長に「この子、声は出るんだけど周りが見えないんだよね」と言われたのが、とにかく悔しくて、それ以来、接客中の動き方が上手なスタッフに、「どういうところに気をつかっていますか」と質問するようにしました。あとは動きを観察して、まずは真似をしていました。



その後もいろんな人に会って質問をしつつ、その人たちの真似をしていました。いろんな人の良い部分をもらっていった結果、今の自分のスタイルができています。