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上位争い常連のビッグクラブに所属しているからといって、リーグタイトルの獲得を経験できるとは限らない。あのFWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)でさえ未だワールドカップではトロフィーを掲げることができていないように、実力ある選手の所属とチームの優勝は必ずしもイコールでなく、それがサッカーの面白さとも言える。

今回は、ビッグクラブに所属しながらもリーグタイトルとは無縁の選手たちを紹介する。未だ栄光を掴めていない実力ある選手たちの存在を知れば、彼らをもっと応援したくなるに違いない。


ハリー・ケイン 写真:Getty Images

ハリー・ケイン

イングランド代表のエースストライカーとして同国の最多得点記録を持つFWハリー・ケインは、まさに無冠の帝王と呼ぶに相応しい人物だ。ユースからトップチームへ昇格した2009/10シーズン以降、長年トッテナム・ホットスパーで活躍したケインだが、317試合213得点という輝かしい成績を残しながらもこの間チームのリーグ優勝はなし。タイトルに恵まれないまま、2023/24シーズンにドイツの絶対的王者バイエルン・ミュンヘンに移籍した。

バイエルンは昨2022/23シーズンまで国内リーグで破竹の11連覇を達成しており、ケインにもついに悲願の瞬間が訪れると思われた。しかし、2023/24シーズンのブンデスリーガ(ドイツ1部)を制したのは、シャビ・アロンソ監督率いるバイエル・レバークーゼンだった。

またしてもリーグタイトルを逃したケインだが、それでも彼の実力を疑う者はいない。早くもブンデスリーガで30得点以上をマークしており、得点王になるのも時間の問題だろう。チームのみならずリーグ内でも絶対的なセンターフォワードとして君臨するケイン。タイトルを手にする日はそう遠くない。


クリスチャン・プリシッチ 写真:Getty Images

クリスチャン・プリシッチ

ボルシア・ドルトムント(ドイツ)、チェルシー(イングランド)、ACミラン(イタリア)と数々のビッグクラブを渡り歩いてきたアメリカ代表のFWクリスチャン・プリシッチ。彼もリーグタイトル経験がない選手の一人だ。

当時ドルトムントの監督を務めていたトーマス・トゥヘル監督の下、わずか17歳でブンデスリーガデビューを果たしたプリシッチ。スピードに乗ったドリブルとスプリント能力でチェルシー時代はFWエデン・アザールの後継者との呼び声も高く、2020/21シーズンには10番を背負うなどクラブでの未来を期待されていた。しかし、ドルトムント時代からリーグタイトルには恵まれず、2023/24シーズンよりACミランへ移籍。

ミランでは初年度ながらも既に2桁得点を達成しており、チームでも主力の座を掴んでいる。今季第32節を終えた時点でリーグ2位のミラン。残り試合数6に対し首位インテルとの勝ち点差が14とかなり厳しい状況ではあるが、2026年に母国アメリカでも開かれるFIFAワールドカップ北中米大会に向けて弾みをつけるためにも、何とかリーグタイトルを獲得したいところだ。


マーカス・ラッシュフォード 写真:Getty Images