今週の米議会スケジュール

週末にイランがイスラエルに対して初の直接攻撃を実施したことで、米議会トップ4(民主党シューマー上院多数党院内総務、共和党マコネル少数党上院院内総務、ジョンソン下院議長、ジェフリーズ下院院内総務)はバイデン大統領と電話会談を急きょ設けた。

このトップ4はイスラエルを強く支持している。AIPAC(米・イスラエル公共問題委員会)でも度々スピーチを行っており、当然のことながら、AIPACから莫大な献金もある注1)。

ただし、イスラエルを支持しているからといって、必ずしもネタニヤフ政権を支持しているわけではない。特にシューマー上院院内総務は、今年3月からネタニヤフ首相への批判を強めている。3月14日の米議会演説では、パレスチナ自治区ガザで続く戦闘について、ネタニヤフ首相が「和平の障害」になっていると非難した。また、イスラエル国民に今後の行く末を問うべきだとして、選挙実施を要求した。

ネタニヤフ政権がパレスチナへの強硬姿勢を続けた時は「イスラエルの政策形成に、米国は積極的な役割を果たすほかない」とし、制裁や武器輸出制限などを念頭に米国が影響力を行使すべきだとも主張していた。

しかしながら、ネタニヤフ政権を非難しているだけであって、イスラエルを支持し、イスラエルをイランの攻撃から守ろうとする姿勢には変わらない。

中東情勢緊迫化をうけて、下院議会は急遽議案を変更し、イスラエルを支援しイランに制裁を加える法案の審議に切り替えられた。