元お笑い芸人で現在は東京都西東京市議会議員の長井秀和氏が、創価学会と対立している。

長井氏は創価学会エリート家系の“宗教2世”だが、「親は多額の財産をお布施した」と創価学会を批判し、さらに去年12月の選挙演説で、「朝木明代東村山市議転落死事件」の創価学会関与説に言及したため、創価学会から訴えられた。

「我が家は創価学会に財産の25パーセントほど寄付しました。まず、聖教新聞は『1部だけ取るのは、はしくれ。3部取るのは当たり前 』。特に創価学会の一定の要職に就いた人は、1部のみならず数部取っていました。我が家も聖教新聞を含め、あらゆる学会の出版物を購入していて、年間60万円くらい使っていました。さらに、他の信者に贈呈する仏壇を複数購入していました。計1億円くらい創価学会に使ったため、父親が他界し母親が残された時には、貯金が300万円くらいになっていました。それから、事業が成功すると『池田先生のお陰さま』と、根拠ない話をされました」(長井氏)

創価学会が信者からお布施を引き出す方法について、長井氏は次のように明かす。

「何かあるたびに『節目の年だから、お布施するとご利益ある』と言われました。また、『宇宙銀行』というものがあって、『(お布施は宇宙銀行への預金であり)お金を預けると2倍、3倍になって返ってくる』と言われました。他のカルト団体も似たような方法を使っていますね」

しかし、創価学会の元幹部で元会員A氏(40代女性、自営業、都内在住)は、長井氏の話を「聖教新聞を幹部が複数とる、というのは嘘です」と否定する。

「聖教新聞を何部取るかは自由です。私が幹部の時は1部しか取りませんでしたよ。入会すると取ることにはなりますが、幹部だから取るわけではありません。そもそも、創価学会の教えは『全人類みな平等』で、一人ひとりが仏なのです。聖教新聞は一家に1部でもいいし、もっと欲しければ取ればいい。大家族だと、各々が欲しいと思えば、数が増えることもあります」(A氏)

また「宇宙銀行」についても、長井氏とは異なる見解を持っている。

「『宇宙銀行にお布施を預金したら倍になって返ってくる』という教義はありません。ただし、宇宙銀行の話はよくしますね。お金だけでなく『福運貯金』ともいって、『積んだ徳もすべて宇宙銀行に預ける』という感覚です。

私個人の体験をいえば、倍どころか何倍にもなって返ってきましたよ。お金に限らず、健康で病院に行かずに済んだとか、誰かにご馳走してもらったとか、抽選に当たって商品券が届いたとか、友達からお米をもらえたとか……。数え上げればキリがありません。ただし、返ってこない時もありますよ。

また、宗教なので私たちは、真心が大事だと説きます。心の底から世界の平和、世界の幸せのために使ってほしいという願いを持った時に、信じられないくらいの奇跡が起きると考えています。そして、『善いことをしたら自分に返ってくる』という考え方は、宗教に限らないのではないでしょうか。『節目』も、創価学会に限らず、会社などにも創立〇〇周年というのはあります」(A氏)

長井氏いわく創価学会の公式の教義では、「お布施の強制は無い」。しかし、お布施をしたくなる心理に持っていかせるという。それが、マインドコントロールなのか、自発的な善意の行為なのか、人によって感じ方・考え方は異なるだろう。そもそも、何をもってマインドコントロールとするのか、定義が難しいところでもある。