2024年3月21日、米カリフォルニア州のオレンジ郡地方検事局は、精神疾患のある男性受刑者、ショーン・ホワイティングさん(当時35)が同郡刑務所内で自殺した件について、刑務所職員に過失はなかったと結論づけた。
ショーンさんは、『南カリフォルニア・ニュース・グループ(SCNG)』の元コラムニスト、デビッド・ホワイティングさんの息子だ。デビッドさんは、刑務所内の監視をより厳重にすべきだったとして、2023年12月22日に不法死亡訴訟を提起していた。
オレンジの皮を喉に押し込んで自殺した男
ショーンさんが自殺する瞬間を捉えた監視カメラ映像が、海外の動画共有サイト「ItemFix」などで公開され、ネット上で話題となっている。動画に挿入された解説に沿って事件の経緯を紹介しよう。
2022年12月23日午前11時53分、精神鑑定後のショーンさんが精神病棟の独房に戻された。午前3時13分、ショーンさんが袋入りの食事からオレンジを取り出し、便器の隣にある壁の後ろに移動した。オレンジを食べ、さらにオレンジの皮を喉に押し込んだようだ。正面のガラス窓の前に戻って来た後、仰向けになってもがき苦しみ始めた。
午後3時20分頃、ショーンさんはオレンジの皮の一部を吐き出し、不可解な動きをしている。正面ガラスに衝突して仰向けに倒れた。数秒後、刑務所の医療スタッフがショーンさんの様子を確認するために呼びかけた。
午後3時21分頃、職員らが監房に到着し、床に横たわったショーンさんを目撃した。 職員らは自分たちだけで独房に入るのは安全ではないと考えて助けを求めた。午後3時22分頃、職員らはショーンさんにハイムリッヒ法(窒息時の対応法)を実施した。ショーンさんが意識を失った後は、自動体外式除細動器(AED)や心肺蘇生法(CPR)などの救命活動が始まり、オレンジ郡消防局 (OCFA) が到着するまで継続されました。
午後3時33分頃、OCFAの救急隊員が現場に到着し、ショーンさんの救助活動を行った後、地元の病院に搬送された。しかし、ショーンさんは病院で死亡が確認された。