JAPÓN, KISHIDA DEBE DE DIMITIR.13-10-2023. Dony/iStock

何も決めない政治家3世

岸田文雄氏は戦後36人目の首相だ。率直に言って、岸田氏は首相のポストを早く辞めるべきだと筆者は思う。筆者は彼の選挙区である広島1区で生まれ育った。彼が広島1区から衆議院議員になったのは1993年ということであるから、筆者は既にスペイン・バレンシアに在住していて彼の地元での政治家としての活動について直接観察して来たわけでない。

しかし、筆者は地元の人たちとは頻繁に交信があるし、頻繁に郷里を訪ねて来た。そこから彼についての結論は、地元で信頼されていない頼りない政治家だという意見をよく耳にしていた。

だから、彼が首相になったと聞いた時、筆者は「まさか」と思ったほどである。何しろ、筆者から見ても彼は首相に成る器ではないし、その資質ももっていないからである。そもそも彼が議員になれたのも祖父と父親が衆議院議員だったということで議員になるためのレールが敷かれていたということだ。更に、彼が首相に成れた背後には安倍元首相が彼を首相にして自ら院政を敷く意向があったのではなかろうか。

頻繁に代わる日本の首相

戦後の首相が36人というのは余りにも多すぎる。一人の首相が平均して2年余りしか政権を担っていないことになる。これでは一人の首相ができることには限界がある。

例えば、ヨーロッパの優等国ドイツだと戦後から現在まで10人の首相である。スペインでも1976年に民主化になってから現在まで7人の首相だけである。一人の首相が長期政権を担って問題があるにせよ一環した政治が可能である。

一方、日本と似て首相が頻繁に代わっているのがイタリアである。それでもイタリアはEU加盟国であるが故にEU本部ブルッセルからの圧力もあり政治も問題があるにしても大分好転している。

国家の繁栄復帰か衰退か分岐点にある

今の日本は未来が見えない国家危機に突入している。国がこれから繁栄を復活することができるか、あるいはこのまま衰退の道に突入して行くのか丁度分岐点に差し掛かっているのが今の日本だ。そのような非常に大事な時に国家指導者としての器量も資質もない人物が日本の首相として任を預かっていることは実に危険だ。

これは岸田首相だけの問題ではない。1987年に竹下登氏が首相に成って以来、これまで首相としての資質を持った政治家は誕生してないと思う。勿論、小泉首相と安倍首相は比較的長期政権を維持したが、前者は改革を掲げて政治を変えようとしたが、改革とは何かというのが本人自身が分かっていなかったように筆者には感じる。

また後者はアベノミクスを掲げ金融緩和を実施して巨額の負債を抱え込んでしまった。その上、彼の政権でのGDPは実質0.9%でしか成長がなかった。ということで、岸田首相以前のそれぞれ首相も国家の発展には殆ど貢献していないということだ。だから30年もGDPに成長はなく、生産性は次第に衰え、昇給もないまま今日まで来ている。