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道路緑化のために取り入れられる「道路植栽」
「日本の道は狭い」これって道路植栽のせいでは?
道路緑化のために取り入れられる「道路植栽」

車道と歩道の間や中央分離帯等に植えられている樹木や草花などの植物は「道路植栽」と呼ばれ、道路緑化を目的に道路計画や地域特性にあわせて導入されています。
道路の機能向上や環境保全、景観形成といった役割を持っているほか、騒音の低減や大気の浄化、木陰を作るなどの効果があり、なかでも植物ならではの「親しみ」「潤い」「生命感」「やすらぎ」を感じる効果をもたらすことが最大の特徴と、日本道路協会が挙げています。
道路植栽としてとり入れられる植物は3mを超すイチョウやケヤキなどの高木から3m未満のサツキやアベリア、シャリンバイといった中・低木のほか、芝など。
これらの植栽帯には雑草も繁茂しますが、雑草は道路植栽の生育や交通の安全確保、景観等を阻害するため除草の対象となります。
植栽自体も剪定などの手入れが必要ですので、道路では定期的にこれらの管理のための作業が行われています。
「日本の道は狭い」これって道路植栽のせいでは?

道路植栽は、道路計画の段階においてあらかじめそのためのスペースが設けられており、スペースが余ったから植えられているわけではありません。
また、道幅の広さなどによって道路植栽を設けることが定められており、1.5mを標準とすることが望ましいとされています。
つまり、道路はあらかじめ車が通るスペースと人が通るスペースのほかに、草木を植えるスペースも確保されたうえで敷設されているのです。
道路は一度敷設されたら簡単には拡張ができませんが、道路を走る車は年々大型化が進み、さらに自転車の専用通行帯や走行指導帯も設けられ、相対的に道幅は狭くなっていきました。
しかし、すぐ左に目をやると道路植栽があります。この道路植栽を撤去し、空いたスペースを自転車のレーンとして活用すれば良いのでは?と考えたことがあるドライバーは少なくないのではないでしょうか。
もちろん、植物は環境を形成するうえで重要な存在ですが、目的を考えるとこんにちの道路植栽は本末転倒になっているという考えもあるようです。