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改良に次ぐ改良で「遅咲きの花」へ

改良に次ぐ改良で「遅咲きの花」へ

「乗るな」と酷評された初期型から改良進め「最高のスポーツカー」へ…遅咲きの傑作国産MRスポーツ、トヨタ SW20型MR2【推し車】
(画像=改良に次ぐ改良がやがてモータースポーツで高く評価されていき、モデル中盤以降から生産終了後、まだ中古車が安く買えた時期に「パワフルで旋回性能に優れるコストパフォーマンスの高いスポーツカー」として、遅咲きの人気を得た。,『MOBY』より 引用)

しかしトヨタもそうやってダメ出しされたSW20を放置せず、タイヤサイズを変えて足回りセッティング変更など、見た目は大きく変わらずとも自動車としては根本的に変わった改良型、いわゆる「II型」(1991年)で評価を一変させます。

さらにNA(165馬力→170〜180馬力)もターボ(225馬力〜245馬力)へとパワーアップ、スポーツABSの設定など改良した「III型」(1993年)が決定版。

その後さらにIV型、V型と改良されていきますが、SW20型MR2が脚光を浴びたのは1999年までの10年にわたる長いモデルライフの後半生、1990年代後半以降です。

その頃、JGTCのGT300クラスに参戦していた、つちやエンジニアリングの「つちやMR2」というのがバカッ速でして、レーシングカーとしては装飾も少ない極めて地味な市販車じみた姿ながら、1998年から2年連続でクラスチャンプ!

初期のイメージもあって、「本気で走っちゃいけない、むしろ普通に走らせるのに本気で運転するクルマ」というSW20の評価は一気に一級品のスポーツカーとして高まり、ジムカーナやラリーでもよく使われるようになります。

2000年代に入って全日本ジムカーナで2リッターオーバー級の後輪駆動クラスができると、ホンダ S2000やマツダ RX-7(FD3S)といったピュアスポーツに対し、「安い速い」のSW20…特にIII型が大人気で、安く中古車を買って競技車へ仕立てるユーザーが続出!

突然何をしても曲がらなくなりコースアウト、逆にリバースステアでスピンという悪癖は残り、チューナーやドライバーにとっては腕の見せどころでしたが、うまく作ればグリップ走行とサイドターンが求められる局面で、非常に戦闘力の高いクルマでした。

唯一の難点は、「どう頑張っても本番用やスペアのタイヤを車内に積みきれない」ことでしたが、ルーフやエンジンルーム上へラックを載せて、果敢にタイヤ8本積んでジムカーナへ出かけたり、スペアタイヤを背負ってラリーに出るSW20はよくいたものです。

1990年代前半、それも初期あたりの印象しか持っていないと「大したことないクルマ」と思う人もいそうですが、1990年代後半から2000年代前半にかけての大活躍は、まさに「典型的な遅咲きの花」だったと言えるでしょう。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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