目次
果たしてSW20型MR2は名車か迷車か?
カローラ級からコロナ級へ、車格アップのモデルチェンジだが
果たしてSW20型MR2は名車か迷車か?
ある人にとっては「ロクでもないジャジャ馬」、ある人にとっては「素晴らしく楽しいミッドシップ・スポーツの代表格」と、評価がこれほど真っ二つに分かれるクルマも珍しいと言えるのが、トヨタの2代目MR2、SW20型でしょう。
あまりにもピュアスポーツ過ぎ、量販車としての実績はイマイチだった初代AW10系からの反省で大型化したものの初期型の操縦安定性は劣悪、しかし後に改良されるとあらゆるステージで大活躍する名車となるのですから、接した時期でもだいぶ感想は違うはず?
MOBY編集部がAIに聞いた、「30〜50代のクルマ好きが気になる名車」であるSW20型MR2は、まさに典型的な「遅咲きの花」でした。
カローラ級からコロナ級へ、車格アップのモデルチェンジだが
SW20型MR2が登場したのは1989年、日本がいよいよバブル景気真っ盛りという時期に出現し、初代AW10系がE80系カローラのFF用パワートレーンをリアミッドへ搭載したのに対し、当時のコロナ級へとサイズアップ。
一見すると「バブルの波に乗って大きく重くなった」ようにも思えますが、実のところAW10系は走行性能やデザインこそ高く評価されたものの、実用面では少々サイズが小さすぎ…具体的には荷物など載せるスポーツがほとんどない…というわけでの大型化です。
寸法は5ナンバー枠に収まったとはいえ、車内は広くなったしトランクも容量アップ、重量増加分はスポーツエンジン3S-GEまたはターボ版3S-GTEを積みましたから、コロナというかセリカのミッドシップ版といった趣で、デートカーにも十分使えそうでした。
ただ、当時のトヨタは操縦安定性の開発に何か問題でもあったのか、EP82スターレットGTなどもそうでしたが「パワーに足回りがついていかないジャジャ馬」という傾向がSW20型MR2の初期、いわゆる「I型」でも激しく、「プロでさえスピンする」と言われます。
つまりフロント荷重不足で希薄なステアリングインフォメーション、ままならない直進安定性、コーナーに来ればアンダーステアから急にオーバーへ変わるリバースステア…と、「乗り手を選ぶどころではない」酷評を受けたのです。
たぶんこの時期のMR2に乗ってミッドシップがすっかりキライになった人がいるかもしれませんが、中には「これを乗りこなすのがいいんだよ!」という人や、「これがミッドシップなんじゃないの?」と基準がスゴイ事になった人もいたとか、ナントカ…。