■紙幣に求められる2つのポイントは…

言うまでもなく紙幣は「使うもの」であり、不特定多数の人の手に渡るもの。どれだけ大切に扱ったとしても、その過程で汚れ、摩耗していくのは避けられない。

そんな紙幣の製造について、国立印刷局は「(日本のお札の用紙は)みつまた、アバカ(マニラ麻)などを原料としています。みつまたは、古くから和紙の原料として使われており、1879年(明治12年)に初めてお札用紙の原料として採用されてから、現在まで伝統が受け継がれています」と説明する。

前出の事情から「強い耐久性」が求められるのに加え、「偽造されにくさ」も重要なポイント。

国立印刷局は「お札独特の色や風合い、触ったときの独特の感触は偽造発見の第一手であり、加えて『すき入れ(白黒すかし)』の精巧さは、偽造に対する大きな抑止力となっています」と、説明していたのだった。