いや、実質賃金が下げられるようになったことで経営が安定するというのは長い目で見ればすべての労働者にとってメリットだし、インフレ税がっつり取れるようになったことも真面目に働いている勤労世帯にとっては凄く有意義なんですけど、実際問題として日常生活でそれらのメリットを意識している人は多くはないでしょう。
重要なのはアベノミクスの良し悪しではなく、有権者が今どういう心情なのかということなんです。
筆者のざっくりした印象ですが、9割くらいの人はインフレにメリットよりデメリットを多く感じているはず。
要するに、社会全体にやり場のない鬱屈したガスが充満している状態だったわけですよ。そこでこんな写真投稿するのは、火にガソリンぶっかけるようなものでしょう。
女性局メンバー38名、無事にフランス🇫🇷到着‼️#フランス#自民党#女性局 pic.twitter.com/aIyKzNeLQH
— 今井絵理子 (@Eriko_imai) July 24, 2023
筆者自身は、別に議員が何人でどこに行こうが気にはしないです。そんなもん、高齢者の社会保障給付に比べれば髪の毛みたいなもんですから。
筆者がショックを受けたのは、どうやら自民党の議員は自分たちが何をしてきて、日本がどういう状況に陥っているのか、まったく理解していないらしいという事実ですね。
38人もいて「いや今こういうのはオープンにしちゃまずいでしょ」みたいな声が一人も出てこなかったというのは衝撃的です。
そんな初歩中の初歩すら理解できてないんだから「高齢者の社会保障給付で現役世帯が死にかけている」とか「とりわけサラリーマンが4割も天引きされていて、さらなる負担増のリスクが高まっている」なんてことは想像すらしていないと思いますね。
たぶん「バラマキで子育て世帯を全力応援♪」とか言って笑顔でサラリーマンの天引きを上げようとしてくるでしょう。
バラまくんなら最初から取るなとか、10天引きしても中抜きで子育て世帯に回る頃には3くらいになってるとかいった発想は、残念ながらこの人たちは全く持ち合わせていないと思われます。
その悲しい現実をばっちり思い知らせてくれたことが、炎上の背景にあったように思いますね。
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以降、 いっぱい取っていっぱいバラまくのが自民党 維新の支持率がじわじわ伸びている背景にあるもの
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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2023年8月10日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください
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