先日、自民党の女性議員団がフランス視察の際にSNS投稿した写真が「昭和の海外視察みたい」と大炎上しました。
自民党女性局長の松川るい参院議員(52)、局長代理の今井絵理子参院議員(39)が、7月下旬のフランス視察中にSNSに投稿した写真が、まるで観光旅行ではないかと批判され、炎上している。
若い人のためにフォローしておくと、昭和には大企業の偉い人や政治家が大勢で海外視察という名の慰安旅行にいって羽目を外すというのが広く行われていました。
企業に余裕がなくなって今ではすっかり影を潜めましたが、まさか令和の世に38名という規模で大々的にパリまで繰り出したのはビックリですね。
しかもやってるのが自民党女性局って……どちらかというとそういう古い因習を先頭に立って駆逐する側じゃないんですかね。やってることまんま昭和のオッサン丸出しなんですが。
とはいえ、本人たちはもちろん、多くの人もここまで炎上するとは思ってなかったはず。
なぜ「一昔前だったらなんてことなかったであろう一枚の写真投稿」がここまで炎上してしまったんでしょうか。いい機会なのでまとめておきましょう。
きっとそれは、今後何が起こるのかを示唆してくれることでしょう。
なぜ、今までだったらなんということもない海外視察ネタが大炎上したのか意外と気づいてない人が多いんですが、今の日本円は50年ぶりの実質円安状態にあります。
【参考リンク】日本の株と不動産はなぜこんなに値上がりするのか。それは「半世紀ぶりの実質円安」だから…
結果、インフレがすごい勢いで進展中で、つい先日はとうとう日米の物価上昇率が逆転したことが話題となりました。
【参考リンク】日本の物価伸び率、米国を8年ぶり逆転 賃金上昇は鈍く
ガソリンや牛肉、小麦といった輸入に依存したものはもちろん、国内で作っている農作物、鶏卵といったものまで値上げはとどまるところを知りません。飼料や肥料は輸入しているし輸送コストも上がるから当然ですね。
でも、円安の破壊力をもっとも痛感できるのは海外旅行でしょう。
ちょっと前までは夏休みは海外で過ごすのが当たり前だったけど、ここ数年は国内で~という人たちは多いんじゃないですかね。
ちなみに筆者は大学生の時に中国からシルクロード通ってエジプトまで行くという世界半周旅行を3か月くらいでやったことがあります。
別に金持ちだったわけじゃなくて、90年代は3か月くらいバイトすればそれくらい普通にいけましたから。
今の学生を見てるとバイト代で海外旅行なんてどだい無理な話ですね。「最近の若者は内向きだ」みたいな意見はまったくナンセンスでしょう。
さて、そうなってしまった原因ですが、言うまでもなくアベノミクス以降の異次元の金融緩和にあります。
「日本の停滞の原因はデフレであり、デフレさえ脱却すれば全部うまくいく」というアレですね。 念願のデフレ脱却で本当にうまくいっているのかは「?」ですが。
フォローしておくと、アベノミクスにもいいことはいっぱいあります。それは以下のようなものです。
・都市部の不動産価格や株価が上がった ・インフレになったので企業は賃金据え置きで実質賃金を下げられるようになった ・インフレになったので消費税、所得税等の税収が増えた(あと社会保険料も)
実際、筆者の周囲でも、それなりの資産持ってる人、会社経営者やその大株主といった人たちは大変潤ってるしインフレを歓迎してます。
あと将来世代のために財政再建を気にかける人も高齢者や無職からも幅広くインフレ税を徴収できるようになったことは喜んでます(笑)
でも、資産なんて持ってなくて、「賃上げしないんだったらいつでも辞めてやるよこんな会社!」って上司に言えないような人にとっては、単に物価が上がって払う税金が増えただけなんじゃないでしょうか。