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WRカー初シーズンでタイトル!熱望された市販化
WRカー風STiチューンド、「22B」誕生!
WRカー初シーズンでタイトル!熱望された市販化
インプレッサ リトナをベースにワイドボディ化してサスペンション形状を変更、ベース車の1.5Lエンジンから2LターボのEJ20をチューンして搭載し、見た目こそインプレッサWRXの2ドア版でしたが中身は全く別物です。
参戦メーカーが増えたといっても初年度はトヨタがカローラWRCで復帰した程度、他にはフォードのエスコートWRCとグループAの三菱 ランサーエボリューションIV(途中からV)が既存のメンツで、大した変わりはありません。
そうなるとグループAでの経験と実績が生きるというもので、ドライバーズタイトルこそランエボを駆る三菱のトミ・マキネンに譲りましたが、マニュファクチャラーズタイトルはインプレッサWRCのスバルがブッチギリで獲得しました。
これでまた日本のファンも大いに盛り上がったものですが、そうなると「あのワイドボディ版インプレッサは売らないのか?」という話題が当然出てきます。
何しろライバルの三菱はランサーエボリューションVでワイドボディの3ナンバー化、それでグループAマシンのまま(WRカーとの差を埋めるため、若干の特例はあった)参戦し、市販車も同様の姿でしたから、スバルだって…となるわけです。
スバルも一応、1997年1月には国内販売を廃止していたリトナをベースとした2ドアクーペ版、「WRXタイプR STiバージョン」を発売していましたが、5ナンバーサイズのままですから、実質「リトナWRX」であって、WRカーとはだいぶ異なりました。
WRカー風STiチューンド、「22B」誕生!
スバルも三菱同様、WRXタイプRをワイドボディ化しても良かったかもしれませんが、それでは280馬力自主規制(当時)に縛られますし、2ドア版だけでは「戦うファミリーセダン」にもなれる4ドアに比べ販売台数が限られると思ったのでしょうか?
実際に作られたのはSTi名義で、WRカーとは異なるものの「WRカー風」専用ボディパネルでワイドボディ化、3ナンバーなので2リッターにこだわる必要もないと2.2リッターへ排気量を拡大した「EJ22改」を積む「22B STiバージョン」でした。
WRXタイプRをベースにワイドボディ化しただけの特別仕様車でも十分そうですが、「記念碑」的モデルをわざわざ作ったのは、当時のスバルがそれだけ勢いづいていたということでしょうか。
EJ22改はあえて280馬力へとどめたうえで、排気量アップの恩恵により低回転からのフラットトルク型な実戦向きスペック、駆動系強化やギヤレシオ13:1のスーパークイックステア、外観もWRカー風ワイドボディなだけでなく大型リヤスポイラーで派手さを増しています。
1998年3月に発売された22Bは400台の限定販売でしたがわずか2日で完売!
現在の視点では「2日もかかったのか〜」と思ってしまいますが、当時はまだいなかった「転売ヤー」がいれば、発表の話が出ると当時に予約が殺到して抽選販売にでもなっていたことでしょう。
後にレプリカも作られますが、新車販売当時の22Bは「普通のインプレッサWRXタイプRかと思ったら、明らかに何かが違う」という重厚かつ力強いオーラを発しており、妙に存在感のあるクルマだったのを覚えています。
後にSTi、現在の「STI」はスバル車をベースに多数のコンプリートカーを作っていますが、凝った作りや「(WRカーの)本物に近い迫力」という意味では、現在も22Bが一番ではないでしょうか?
もっとも、22Bが発売された1998年以降、初代インプレッサWRCは熟成が進むライバルに苦戦が目立ち、2代目初期に盛り返すまでタイトルから遠ざかってしまうのですが…。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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