目次
■日本酒やゴルフウェア……、好きだからこそ広がるプロデュース
■自身の核を保ち、自由に、フラットに生きていく

■日本酒やゴルフウェア……、好きだからこそ広がるプロデュース

「役者であることを核に、生きる意義としての“欲”を原動力にし続けたい」|俳優・窪塚洋介
(画像=キューバ産の葉巻を燻らせる窪塚さん。熟成されたシガーの香りが漂う、『男の隠れ家デジタル』より引用)

近年は副業的な仕事もかなり増えています。どれも好きなことを追っているうち気づけば……というものばかりです。

たとえば日本酒『福霧』のプロジェクト。そもそも僕は酒も煙草も好きなんで、腸の健康は大事かなと思って以前から発酵食品や根菜、海藻など摂って腸内環境を整えるようにしているんです。腸活していなければ間違いなく体を壊していたはず。今はそのおかげで相殺というか、お釣りが来るくらい健康体ですよ。金沢市の福光屋さんは日本酒はもちろん米発酵飲料など腸活にいいものをいろいろ出していてお世話になっていました。それで友人を通して社長に会い、おいしい有機純米酒を一緒に作ろうと意気投合したんです。本当にいいお酒ができました。

ゴルフウェアブランド『8G SHOOT』は、2年ほど前に打ちっ放しに付き合わされたのがきっかけ。全く興味なかったのに思いのほかきれいに飛んで、自分は天才かと(笑)。ゴルフ場にも行くうち、こんなに面白いものなのかとすっかりはまってしまいました。でもウェアに好みのものがない。だから地球環境への負荷を少しでも減らせるようオーガニックコットンやヘンプ、リサイクル素材を使い、自分たちが着たいデザインのウェアをプロデュースしたんです。いつかはフルオーガニックのゴルフ場も作りたいですね。

日本の伝統工芸技術を残したい思いからは『WATASHI JAPAN』というブランドを立ち上げました。今、東京の吹きガラス職人によるまんまるなグラス「縁」を販売しています。吹きガラスでまんまるを作るって本当に難しいんです。僕も工房でちょっと吹かせてもらいましたが、とてもとても……。

陶芸もここ何年かの楽しみですね。娘を楽しませようと工房に体験に行ったら僕のほうがのめりこんじゃって。形を作った後は丹波焼の窯元で焼いてもらっています。本職の陶芸家は決してやらないようなものばかり作っていますよ。ブーメランは一度飛ばせば割れちゃうし、壺はめちゃくちゃ水漏れするし。なのになぜかギャラリーから声がかかり個展も開催するようになりました。

いい仲間たちに恵まれ、一つひとつのプロジェクトで同じ未来を目指していける。本当にありがたいし、充実しています。

どうしてそんな時間が作れるのかとよく聞かれますが、忙しいほど時間は見つけられると思うんですよ。仕事のスケジュールは早めに確定しているんで、じゃあ空いている時間にもっと頑張れるんじゃねーの?と考える。自分への刃ですね。強欲と言ってもいいかな。

世界で最も貧しい大統領と言われたホセ・ムヒカさんの言葉に「いちばん貧しいのは際限なく欲しがる人」といった意味のものがありますよね。ハッとさせられます。僕自身、足るを知るというふうでありたいと思う。けれども一方で、欲が自分を動かす原動力であり、生きている意味につながっているとも感じます。大事なのはそのバランスなんでしょうね。

■自身の核を保ち、自由に、フラットに生きていく

「役者であることを核に、生きる意義としての“欲”を原動力にし続けたい」|俳優・窪塚洋介
(画像=バーのマスターは休暇のたびにクルーズ旅行へと出かけるほど、大人な趣味を楽しんでいる、『男の隠れ家デジタル』より引用)

自分にとっての隠れ家ってなんだろうな……。

もしかしたらお酒のある時間かもしれません。ストレス発散だったり社交の場だったり、状況を問わずです。馴染みの店で仲間とカラオケで騒いだりするにも、一人で静かに過ごすにも、お酒があって欲しい。たまには記憶を無くすくらい飲むこともありますが、さすがに45歳にもなりましたから、こういうバーで葉巻を嗜み、ゆっくりグラスを傾ける大人な飲み方もいいですよね。

日本酒では「福霧」がお気に入りですし、ウイスキーやビオワインも好きです。飲むのも食べるのもなるべく自然なものを選びたいですが、さほど厳しくは考えていません。縛りが強すぎると仲間と楽しく過ごすのに差し障りますしね。出されたものはたいていなんでも食べますよ。

気心の知れた人だけでなく、初めましての人と飲むのも楽しいですね。転落事故後、人と会ってもフラットでいられなかった期間が長かったぶん、誰とでもニュートラルに接する状況を喜べるようになったのかもしれません。

先日は息子(俳優・窪塚愛流さん)とも飲みましたよ。20歳になっているんで。息子が3歳の頃、「いつかお前と乾杯するぜ~」みたいなレゲエの曲を出したんですけれど、おおっ、もうその時が来たか~という感じでしたね。うれしい時間でした。

欲多く、いろんなことをやっていますが、僕の根幹はあくまでも役者です。そこがおろそかになってはならないと常に思っています。

役者とは死ぬまで終わりのない仕事。20代の頃から、やったことのない役は魅力でしたし、一度組ませていただいた監督とも新たな現場の数だけ自分への発見があります。しなければならない仕事ではなく、したいからする仕事としてこの先も充実させていきたいですね。その核がしっかりとブレなければ、役者以外の好きなこと、実現したいことがどんなに増えてもバランスを取っていけるのではと思っています。常に、役者である自分というものが真ん中にいてこそです。

これからも心のままに、やりたいことに向けて全力で向かっていきます。

【作品情報】
■『GTO リバイバル』

「役者であることを核に、生きる意義としての“欲”を原動力にし続けたい」|俳優・窪塚洋介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

1998年に放送されていた大人気ドラマ『GTO』が26年ぶりに復活。窪塚洋介さんはもちろん、主演の反町隆史さんや池内博之さんなど懐かしのメンバー6人が再集結する。
放送日時は2024年4月1日(月)21:00〜の一夜限り。当時のことを思い出しながら、今なお色褪せることのないグレート・ティーチャー鬼塚の熱血授業をぜひご覧いただきたい。

■『TOKYO VICE season2』

「役者であることを核に、生きる意義としての“欲”を原動力にし続けたい」|俳優・窪塚洋介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

(Photo: James Lisle/WOWOW)
1990年代の東京を舞台に描かれたハリウッド共同制作オリジナルドラマ。大手新聞社に勤める警察担当記者のジェイクが、ヤクザのうごめく闇社会を暴こうと奔走するサスペンスストーリーだ。

WOWOWにて4月6日(土)スタート。毎週土曜21:00放送・配信(全10話)〔第1話無料放送〕
▶︎公式Instagram:@wowow_tokyovice

【プロダクト情報】
■『窪塚洋介の人生攻略本』

「役者であることを核に、生きる意義としての“欲”を原動力にし続けたい」|俳優・窪塚洋介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

窪塚さんの6年ぶりとなる最新刊。若い日から書き留めてきたさまざまな言葉を咀嚼してきた中で、人生への向き合い方や伝え方、バランスの取り方、楽しみ方、幸せの感じ方などを窪塚流にストレートに伝える。
役者としての思いなどのほか家族にまつわる内容も多く、独自の子育て流儀も披露。自身の経験に即した腸活や断食の話も参考になりそうだ。

発行:NORTH VILLAGE / 出版:サンクチュアリ出版
作者:窪塚洋介
価格:1,870円(税込)

■『福霧』

「役者であることを核に、生きる意義としての“欲”を原動力にし続けたい」|俳優・窪塚洋介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

寛永2(1625)年に創業した金沢市の造り酒屋・福光屋とコラボした日本酒。有機栽培の米で醸した年代も異なる幾種類もの酒を窪塚さん自身で利き酒し、そのうち3種を選んで最もおいしいと感じるブレンドに至った。
作れる量が少ないため、オンラインでの先着販売のみ。2023年12月のリリース以来、手に入りにくい酒として知られている。福霧とは、福がふんわりと広がるイメージでのネーミングだ。窪塚さん自身も愛飲し、公式アンバサダーも務めている。

■『8G SHOOT』

「役者であることを核に、生きる意義としての“欲”を原動力にし続けたい」|俳優・窪塚洋介
(画像=『男の隠れ家デジタル』より引用)

名称は“エイジシュート”。ゴルフ場の18ホールを自分の年齢以下の打数で終える意味だ。思いもよらずゴルフにはまったという窪塚さん自身の目標でもある言葉を冠したブランドは、ウェアやキャップなどを展開。環境への配慮として天然素材やリサイクル素材を用いている。ゴルフ以外でも日常に使えるデザインだ。
取材当日は窪塚さんだけでなく事務所の仲間たちもこのブランドのジャンパーやセーターを着用していた。

文/秋川ゆか 撮影/井野友樹 ヘアメイク/佐藤修司(Botanica makehair)

提供元・男の隠れ家デジタル

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