自動車に備え付けられるクラクションは、法令で定められている場合や、危険回避のためやむを得ない場合を除き、むやみに使用することは禁じられています。

しかし実際のところ、前の車が青信号で進まない場合など、ちょっとした注意喚起に使われている場面もしばしば目にします。なかには「そこをどけ」という威嚇の意味で用いるなど、「あおり運転」に該当しかねないケースもあるでしょう。

大きな音が鳴ることから、相手の不快感を買い、トラブルに発展することも少なくないクラクション。今回はドライバーの方々から、「納得できないタイミングでクラクションを鳴らされた経験」について話を聞きました。

目次
「黄色ダッシュ」と「猛クラクション」の組み合わせ
「止まれ」で止まっただけなのに

「黄色ダッシュ」と「猛クラクション」の組み合わせ

「“止まれ”で止まったら後ろからブーッ!」いわれのないホーンにモヤモヤ…“あおりクラクション”被害集
(画像=©xiaosan/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

法令を守って走っているのに、いきなりクラクションを鳴らされては、やはり納得できない気持ちになるものでしょう。今回寄せられたエピソードは、いずれも「こっちはルールを守っているのに鳴らされた」というものでした。

「右折用の矢印が出ない交差点で、先頭で右折待ちをしていたときです。信号が青から黄色に変わり、対向車も途切れ、次の対向車はかなり離れていたので、ブレーキから足を離して発進しました。

しかしその瞬間、対向車がクラクションを鳴らしながら猛加速してきたんです。慌ててブレーキを踏み、向こうは完全に赤信号のタイミングで直進していきました。

私が動き出した段階では、まだ相手は車線がオレンジに変わるあたりのポイントにいたので、十分止まる余裕はあったと思うのですが……」(50代女性)

黄色信号は安全に停止できない場合を除き「止まれ」を意味しますが、実際の道路においては黄色信号で慌てて加速する車をしばしば見かけることがあります。しかし対向車線に右折待ちの車がいる状況などはとくに、「黄色ダッシュ」はスムーズな交通の妨げとなり、大きな危険につながることもあるでしょう。

たとえ急いでいても、信号の表示はすべての道路利用者にとって安全の大前提です。クラクションで相手を威嚇し、進路を確保するといった行為は絶対にやめましょう。

「止まれ」で止まっただけなのに

「“止まれ”で止まったら後ろからブーッ!」いわれのないホーンにモヤモヤ…“あおりクラクション”被害集
(画像=@ocean_nikonos/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

あおり運転が厳罰化されてからも、残念ながら他車を威嚇するような運転は後を絶ちません。なかにはクラクションを「威嚇の手段」のように使っているドライバーも見受けられます。

「止まれの標識で一時停止をしたら、後続車にクラクションを鳴らされたことがあります。何かの間違いかな、と思ったのですが、その後やたらと車間を詰めてくるので、意図的に鳴らしていたんだと確信しました。

正直、一時停止でクラクションを鳴らされるなんて聞いたことがないので、絶対にヤバい人だと思って。さっさとやり過ごそうと思ったのですが、なかなか譲れそうなポイントがありません。

ちょうどコンビニがあったので入ると、その後続車も着いてきたんですよね。案の定相手は勢いよく車から出てきましたが、もうそのときには覚悟が決まっていたというか、迷わず警察に電話をかけました。スピーカー通話にして、相手の怒鳴り声もしっかり聞こえるように。

結局話しているうちに相手は逃げてしまったので、私の方から警察署に出向き、ドラレコのデータを提出してきました。とりあえず後方も録画できるドラレコでよかったなと思いました」(30代男性)

ドライブレコーダーは今や必須装備ともいえますが、後方まで録画できるようにしているドライバーはそう多くないのかもしれません。さまざまなトラブルの可能性を考えると、やはり後方まで録画できる製品を装備しておくのが望ましいのでしょう。