ご記憶にあると思いますが、ワグネルの戦闘員はベラルーシを拠点に変えましたがその戦闘員が現在ポーランドとリトアニアの国境の方に集結しているとされます。プーチン氏がワグネルに対して飴とムチを与えたとしたら新たな任務遂行をムチの代わりに提示した、それがこのスヴァウキ ギャップでへの侵攻だとしたら今回のウクライナ問題は極めて重要な局面をもたらします。
ロシアの侵攻の仕方も単に力づくではなく、停戦/終戦に向けた条件闘争でより良いものを得るためにはどうすればよいのか考えているはずです。その時、ウクライナ東部のロシア支配地域の正式な割譲をすれば人質とも言えるバルト三国を返還すると条件づければNATOもウクライナも厳しい選択を迫られることになります。特にゼレンスキー氏は祖国防衛という趣旨で一貫していたものの仮に第三国の安全という与件がそこに加わるならば判断は簡単ではありません。
プーチン氏は来年3月の大統領選挙も踏まえ、今年中には目途を立てたいと考えていると予想しています。もちろん、ロシアのことですから大統領選挙の時期を「非常事態故に延期する」という自由度はあると思いますが、それにしてもさほど時間的余裕はなく、国民に成果を見せねばならないとすれば焦りはあるでしょう。
プーチン氏個人は既に国際社会に出られず、大統領としての職務を十分に果たせない以上、仮にプーチン氏の傀儡国家を作るにしても戦局の大勢を固める必要があります。個人的には今年の秋から年末にかけてこの膠着状態から大きな動きが出てもおかしくない気がしています。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年7月31日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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