首相官邸HPより

会長・政治評論家 屋山 太郎

岸田改造内閣の支持率は、世論調査でベタ下りである。一人ひとりの閣僚のメンツを見れば、落ちたメンバーは見当たらないが、手段で大衆にぐっと押してくるものがない。

小渕優子氏を自民党選対委員長に抜擢したのは明らかな失敗だ。小渕氏は2014年に政治資金問題を問われて経産相を辞任した。その時の辞任の約束は「不分明な点を開示して謝る」というものだった。その約束を反故にして、選対委員長を務める腹のようだが、こんな横着を国民が許すとでも思うのか。舐めている。

一方、松川るい女性委員長らがパリを訪問して、エッフェル塔を背にして塔の姿の真似をしている場面をSNSで流した。このパントマイムが国民をバカにしていると批判され、松川氏は女性局長を辞任した。この写真のどこが悪いのか。フランスはこの塔のデザインを誇りにしてエッフェル塔を建てたのである。これぞ観光地というものだ。

今、内閣で最重要な事は何か。予算上、軍事費はGDP比2%の額、43兆円もの大金を積んで行く方針が決まっている。しかしこれを現実に予算に組めば、その重装備は憲法違反に当たるという反論が出てくるのは必至だ。