キーマン不在で迎えるアーセナル戦
そんなシティだが、ポイントはバックラインの人選だ。現時点で欠場の可能性が高いストーンズとアカンジはどちらもグアルディオラ監督のもとで評価されており、どちらかがボランチの位置で起用されることによってシティのサッカーはアップグレードされていた。彼らのような本職センターバック(CB)の選手がボランチの位置に入ることで機能する可変システムは、第28節のリバプール戦でも採用され守備の強度を引き上げており、相手攻撃陣を悩ませていた。
しかし、このシステムのキーマンである両選手がどちらも欠場する可能性が高いことを考えると、今回は恐らく採用されないだろう。代わりにCBにはDFルベン・ディアスとCBヨシュコ・グバルディオールが起用され、ボランチの位置にはMFロドリと絶好調MFベルナルド・シウバが起用されると予想。昨シーズン同様、比較的可変の少ないプレーンなサッカーで首位アーセナルを迎え撃つのではないだろうか。
アーセナルが抱える不安要素
一方のアーセナルも決して代表ウィークによる損失がゼロだったというわけではない。チームのエースでもあるFWブカヨ・サカがこの期間中に負傷しイングランド代表を離脱。幸い軽傷であるとの情報だが、シティ戦に出場できるかどうか不透明な状況でありアーセナルファンにとっては不安が残る。また、もともと負傷を抱えていたDFガブリエウ・マガリャンイスとFWガブリエウ・マルティネッリの復帰について未だ情報が少なくシティ戦も出場できるか不明だ。
仮にマガリャンイスが欠場の場合、気になるのがDFウィリアン・サリバの相方である。マガリャンイスはシーズン序盤こそ途中出場が続いたものの、第4節のマンチェスター・ユナイテッド戦以降は第10節のシェフィールド・ユナイテッド戦を除く全試合にスタメン出場しており、チームでの地位を確立してきた。そのためアーセナルはマガリャンイス抜きの実戦を今シーズンほとんど経験していない。ミケル・アルテタ監督はこのピンチをどう切り抜けるだろうか。
怪我からの復帰組が鍵となるか
その策として考えうるのは、シーズン序盤に見られたDFベン・ホワイトをCBとして起用する策である。実際にホワイトがスタメン起用された今シーズン第1節(ノッティンガム・フォレスト戦2-1)と第2節(クリスタル・パレス戦1-0)に勝利できていることや、ホワイトがイングランド代表への召集を拒否しアーセナルでの練習に専念できたことを考えると、この大一番で再びホワイトがCB起用される可能性は十分にあるだろう。
また、DF冨安健洋とMFトーマス・パーテイの復帰もこの決断を後押しするものかもしれない。長らく怪我で戦線を離脱していた両選手だが、UEFAチャンピオンズリーグのラウンド16第2戦(ポルト戦)ではベンチ入りしており、シティ戦での復活が期待される。ホワイトがCBを務めたシーズン序盤の試合で、パーテイが右サイドバックとして出場していることや、第2節では冨安が左サイドバックで出場していたことを考えると、この試合でいきなり両選手がスタメンを飾る可能性もゼロではないだろう。