野球界の「サントス」
経歴に関してまだ断定的な報道はなされていないが、ネットでは昨年12月に下院議員を除名されたジョージ・サントス氏と比較するコメントが相次いでいる。
「つまり、イッペイ・ミズハラは、大リーグ版ジョージ・サントスってこと?」
「ミズハラが徐々にサントス化している」
「誰かイッペイ・ミズハラとジョージ・サントスが一緒にいるところを見た人いない?」
「イッペイ ”ジョージ・サントス” ミズハラ」
「ミズハラにはぜひ共和党から出馬して欲しい」
なかには、名監督アレクサンダー・ペイン氏に、映画『サイドウェイズ』のような二人を起用したロードームービーを撮ってほしいといった要望も投稿されている。
ジョージ・サントスとは

2022年の中間選挙で初当選を果たしたサントス氏(共和党、ニューヨーク)は、当選直後から数々の経歴詐称疑惑が噴出。ニューヨーク市立大学バルーク校卒の学歴、金融大手のゴールドマン・サックス、シティ・グループでの職歴が、ことごとく嘘だったことが発覚したほか、カトリックでありながら「自分はユダヤ系(Jewish)」と称していたこと、母親の死因まで嘘をついた問題が取り沙汰された。
サントス氏はこうした虚偽について「盛った」だけと答えるなどしていたが、その後、選挙資金法に違反した可能性が浮上。昨年5月に通信詐欺や違法な金銭取引、公的資金の窃盗などの疑いでニューヨークの連邦検察によって逮捕、起訴された。支援者から集めた選挙資金を個人口座に移して高級デザイナー服、クレジットカードの支払い、個人的な借金の返済に充てたなどの疑いがあり、その後に追加された罪状を含め訴因は23件に上っている。
事態を重く見た議会倫理員会も調査に乗り出し、昨年発表した報告書で「自分の個人的な経済的利益のために、下院議員選挙のあらゆる側面を不正に利用した」と厳しく非難した。同調査では、ニュージャージー州アトランティック・シティにあるカジノ場で選挙資金の一部を使用した疑いも浮上した。
昨年12月、下院で除名を求める決議案が採決にかけられ、成立に必要な3分の2を大きく上回る4分の3(311-114)で処分が決定した。下院が議員の除名決議を可決したのは史上6回目で、有罪判決なしで議員が除名されるのは初めてとされる。
メディアでは「不名誉な」の前置詞付きで報じられることの多いサントス氏だが、先日、Xの投稿で「共和党は嘘をつき、有権者を騙し続けている」、と自分の問題は棚に上げて古巣を批判。「良心に照らして、何物も支持することなくすべてに屈する政党に所属することはできない」と述べ、無所属から出馬する意向を示した。ここまで来るとあっぱれと言おうか。サントス氏はさらに、11月の選挙では「ウルトラMAGA/トランプ支持の価値観を投票に持ち込む」と高らかに宣言した。