新NISAの存在

 それにしても30代から50代に「ふるはーとJロードグローバルⅡ」が支持される理由は何か。3月16日時点での米ドル建ての積立利率は3.65%(契約当初10年間)、15年経過時点の米ドル建ての実質的利回り(注4)は、3.39%と魅力的な数字であることも理由の1つだ。 (注4)この商品の実質的利回りとは、一時払保険料に対する15年後の契約応当日における解約返戻金額の年換算利回り(複利)をいう。指定通貨(米ドルまたは豪ドル)建の利回りであり、円建での利回りではない。

 加えて大きなポイントとしてあげられるのが積立利率の見直しがないこと。先述の通り、一般的な外貨建保険は一定期間経過後、積立利率の見直しを行うが、この商品は見直しは行わない。つまり、契約時の積立利率が維持されることになる。10~30年後に積立利率を見直す商品が多いなか、利率の見直しを行った時の状況は、もっと景気が良くなっているかもしれないし、景気が悪化しているのか、誰も予測がつかない。

 一方で、今やバブル期以来、34年ぶりに株価が高値を続けている。Z世代や30代・40代は、将来の経済や年金に不安を覚える人が多い。不確定な未来よりも確実な積立利率をキープしながら、外貨建で死亡保障を確保しつつ、資産を増やせる商品性に次世代の心は響いたのだろう。

 ここで一つの疑問が生じる。新NISAの存在だ。非課税期間の無期限化、年間投資枠の拡大などで金融資産の預け先は新NISA一択という人も少なくない。それなのに、なぜか。よほど、資金に余裕がある人が新NISAとこの商品に加入するのだろうかと思うが、どうやらそうではないようだ。

 その答えは分散投資にあった。新NISAは魅力的だが、元本割れリスクがある。一方で、外貨建保険は為替による元本割れリスクはあっても、本商品の外貨建での死亡保険金、解約返戻金は保証されている(解約返戻金は15年経過以後)。

 また保険には一時払保険料より大きな死亡保障が得られる点や相続税の非課税枠(500万円×法定相続人数)、生命保険料控除(所定の計算の下、一定の金額が所得控除される)といった新NISAにはない特徴がある。こうしたことを総合的に考えて分散投資の選択肢の一つとして、30~50代から選ばれているようだ。

 なお、4月1日からは契約後すぐに死亡保険金額が増加する「3つの健康告知プラン」を追加した「ふるはーとJロードグローバルⅢ」が発売される予定だ。4月以降に本商品を検討される場合は、「3つの健康告知プラン」も選択肢に入ることとなる。

 いずれにせよ、この商品を扱う保険ショップを含む代理店、金融機関にシミュレーションも含め、納得いくまで説明を求めることが大切であることはいうまでもない。

(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

提供元・Business Journal

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