—オクタヴィアはそこそこ大きなクルマですが、さすがにそれだけの荷物と家族四人はかなりキューキューですよね。
NILO:そうなんですよ、後部にも荷物がいっぱいでバックミラーは見えない程に荷物が満載です。バンタイプへの乗り換えも考えましたが、大きな車体の縦列駐車の空きスペースを探すのはかなり大変で、オクタヴィアでさえも縦列駐車のスペースに困る場合もありますので購入は諦めました。

—オクタヴィアとファビアの二台持ちは用途に合わせて使い分けられて便利ですね。
NILO:私は基本的に普段のアシにはファビアをドライブしているのですが、ファビアの前にはVWのポロに乗っていて、車体の大きさも操作も同じ、コンパクトで運転のしやすさが気に入っています。また、燃費はポロよりも随分良くなった気がします。シュコダはチェコの自動車メーカーですが、VWグループのセグメントとあり、クルマの作りはしっかりしていると感じており、長距離ドライブも快適です。ただ、ファビアはMT、オクタヴィアはATなので、操作を間違えないように注意をしています。

—ミュンヘン市内では、猛スピードで横切る自転車や電動キックボードの逆走等にヒヤヒヤさせられる事も多々あるので私は市内で殆ど運転をせず、もっぱらママチャリなのですが、日頃はお子さんのお稽古事の送迎や仕事で運転されているNILOさんから見て、ミュンヘン人の運転はどう感じられていますか?
NILO:ミュンヘン人は結構イライラしやすいのか、割とすぐにクラクションを鳴らしているイメージがありますね(笑)。基本的にドイツ人の運転マナーは良いと思いますし、自転車への配慮をしながら運転しているドライバーも多いと感じています。また、私の周りのドイツ人のママ友の中で、運転をしない、できない人が5割位の確立でいる事にも驚いています。

—ではアウトバーンは?
NILO:ドイツのアウトバーンは走りやすくて大好きです。隣国では有料の国もありますが、ドイツではこのクオリティで通行料が無料という事に何度走っても本当に驚きます。たまにイタリアにも行くのですが、ドイツと違ってウィンカーを出さずに急に車線変更をしてくるクルマが頻繁にいるので、いつもドキドキしながら運転しています(笑)。

—ミュージシャンや作家としての活動の他にもサイクリストとしての活動をされているようですが、自転車の世界に足を踏み入れたきっかけは?
NILO:ミュージシャンってステージに立つ以外は、基本的にスタジオにこもって毎日長時間に渡って楽曲の制作活動に追われていて運動不足なんですよ。そんなミュージシャン生活に突入したデビュー間もない頃、トレックというアメリカの自転車メーカーのフラッグシップショップが神戸の須磨ビーチに建ち、そのオープニングのレセプションパーティで歌わせて頂ける機会を頂いたのが自転車に目覚めるきっかけとなったのです。
ショップの方や当日ゲストでいらしていたプロの選手のみなさんのご案内でスポーツバイクというものに初めて出会いました。その日はステージ衣装を着用していた事もあり、興味津々で後日再びショップを訪れてスポーツバイクなるものを初試走しました。それまでママチャリしか乗った事のなかった私には、その軽さと速さに衝撃が走り、その場でクロスバイクを購入してしまいましい、この日がチャリ人生も始まりでした(笑)。

—NILOさんといえば、ビワイチ(琵琶湖一周)なイメージがありますが……。
NILO:仕事がオフの週末にはショップ主宰のサイクリングに参加し、どんどんその魅力に取りつかれ、自転車好きのコミュニティ仲間との交流も楽しんでいました。日頃からジムに通ったり、ランニングを日課にしていたりと元々運動好きだった私は、これに乗ったらどこまでも行ける! そう感じた通り、初めてのロングライドがビワイチだったのです。京都のショップさんの社員さんイベントに一緒に参加したのですが、この初ビワイチから更にサイクリングの魅力にドはまりしましたね。そんな私を見て、トライアスロンのお誘いを受け、子供の頃から水泳も好きだった事もあり、トライアスロンの世界にも足を踏み入れちゃいました(笑)。
自転車のイベントの前夜祭や走行後にライブをする機会を頂く事もあるのですが、前夜ステージに立っていたミュージシャンが、翌朝には参加者として一緒に自転車を漕ぎで一緒にゴールをしています。こんなミュージシャン、きっと私だけでしょうね(笑)。

—日本の自転車のイベントでのトークショー等にもコロナ禍以前は出演なさっていましたよね。
NILO:自転車イベントでは自転車についてお話させて頂く事が多いので、私がクルマに対してアンチだと思っておられる方も多いようですが、実は本当にクルマの運転が大好きで、私の生活にとってなくてはならない相棒です。もちろん、昨今の地球環境保護やCO2の排出については、クルマを運転するからには各個人が自覚を持ちながらハンドルを握るべきだと思っています。ただ、日本と同様にドイツは自動車産業が国の経済を支える大切な要で、雇用や財政面を大きく担っていますし、様々な物流を動かし私たちの日常生活を担ってくれていますので、自動車を悪とする世相には疑問がありますね。

クルマを運転する事は大好きですが、決してクルマ一辺倒な生活ではなく、日常生活では自転車にも乗って出掛ける事も大好きですし、公共交通機関も利用します。ケースバイ ケースで私自身が自覚を持ってモビリティの利用方法をマネジメントしながら、これからもカーライフをエンジョイしたいと思っています。
飾らない自然体の柔らかく優しい笑顔の中に、しっかりと軸を持ち自分の『好き』を追求するNILOさんは、内面から溢れ出る美しさに溢れ、輝く彼女の魅力にすっかりトリコになってしまいました。お互い長年のペーパードライバーの後に必要に駆られて一念発起し、いつの間にか長距離ドライブが大好きになったという共通点があり、ドライブ談義に盛り上がり過ぎて対談の時間はあっという間に過ぎ去ってしまいました(笑)。

ジャンルに縛られず、美しい歌声を奏で世界の人々へ。愛車のステアリングを握りながら、次は誰の元へステキな音楽を届けてくれるのでしょうか。
NILOさんのライブ情報やドライブ中に聴きたくなるカッコいいオリジナルの楽曲情報はオフィシャルサイトを是非チェックしてみてくださいね!
文・池ノ内 ミドリ/提供元・CARSMEET WEB
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