黒坂岳央です。

英語を教えている立場なのだが、忙しい会社員や主婦の学習者から「勉強のじゃまをされて困っている」という相談を受けることがある。話をよく聞くとそのじゃまをしてくる相手は、ほぼ確実といっていいほど家族や親友である。

これは自分自身にも覚えがある。挑戦のジャマをするのはいつも身近な人間だ。俗に言う、ドリームキラーである。結論、自分の夢は身近な人間に話さないほうが成功率が高まると思っている。理由を取り上げたい。

AH86/iStock

子供の可能性を潰すのは親

子供には無限の可能性がある、本当にそのとおりだと思う。学校の授業参観で子供達の様子を見ると、幼い年令でもすでにそれぞれ得意不得意が見え隠れしている。得意な分野を伸ばして社会に羽ばたいていくのだろうと考えると微笑ましくなる。

だが、そんな子どもの可能性を潰すのはいつも親だ。まだ小さな子供の内から「将来は農家や酪農を次ぎなさい」と親が勝手に進路を決めて、実際にその通りにさせる家をいくつも知っている。「英語が好き!海外にいってみたい!」という夢を子が持っていても、親が許したのは海外ファームステイ。結局、帰国して待っていたのは実家の跡継ぎという運命は変わらなかった。

もちろん、これだけで子どもの夢を潰しているとは限らない。もしかしたら、子供も生粋の酪農家気質であり、自分の性に合っていて喜んで受け入れたのかもしれない。しかし、親があらかじめ道を舗装してそこを通るように促してしまえば、子供は自分で進路を選んでいるようで実質的に親の決めた進路を進むのと同じである。

子を持つ親の立場として、親がやることは子供を全力で肯定し、やりたいことを手伝うだけでいいと思っている。やりたいことは本人に見つけさせなければ、一生やらされ感のつきまとう人生になる。それは不幸なことだと思っている。