山田楓喜(東京ヴェルディ)
16年ぶりにJ1へ帰ってきた東京ヴェルディ。久々のトップカテゴリーは第4節までを終了した時点で2分2敗と苦しい船出となっているが、昨年の上位勢を相手に善戦するなど楽しみな要素も多く見せていると言えよう。そんな東京Vを支えるU-23代表候補がMF山田楓喜だ。
今冬京都サンガから期限付きで加入した山田は、ここまで全試合に出場。開幕戦の横浜F・マリノス戦では、チームにとって16年ぶりとなるJ1でのゴールをフリーキックから鮮やかに決めて国立競技場を湧かせた。さらに、第4節のアルビレックス新潟戦でも開始早々に得たフリーキックのチャンスを直接沈めて今季2ゴール目をマーク。東京Vの新たな武器となっている。
精度の高いキックに加え、前線での守備意識の高さも大きな魅力。技術と積極性、献身性を併せ持つことは同世代の選手と比較しても間違いなく強みになると言えよう。とはいえ、今や海外で活躍する選手も多い2列目の序列争いが熾烈なことに変わりはない。海外組の少ない今回のマリ戦、ウクライナ戦で大岩剛監督を悩ませる働きを見せられるか注目だ。
田中聡(湘南ベルマーレ)
昨夏、KVコルトレイク(ベルギー1部)への期限付き移籍から湘南ベルマーレへ帰還したMF田中聡。チームに戻ってからは11試合に出場し、湘南のJ1残留に貢献している。今季もここまで主力として4試合すべてにスタメン出場。もともと定評のあった球際の強さ、ボール奪取能力に加えて今季は攻撃面でも躍動。第2節の京都サンガ戦ではミドルシュートでゴールを、第4節の浦和レッズ戦では鋭い縦パスやエリア内でのターンから決定機に絡みアシストを1つマークするなど、試合のたびに存在感が増している印象だ。
しかし、これだけJリーグでアピールを続ける田中であってもU-23アジアカップやその先のパリ五輪のメンバー入りは容易ではない。今回のマリ戦、ウクライナ戦でも、攻撃的な海外組が未招集であるのに対しこれまでも中盤を支えてきたMF藤田譲瑠チマやMF山本理仁(いずれもシント=トロイデンVV)は招集されている。加えて、田中と同じくJリーグで活躍するMF松木玖生(FC東京)にMF川﨑颯太(京都サンガ)と国内組のなかでも争いは熾烈を極めていると言えよう。
ハイレベルな選手が揃うポジションなだけに、3月の親善試合2試合で田中にどれだけアピールの時間が与えられるかはわからない。だが、Jリーグでの好調ぶりを見ていると最終メンバーとしてぜひとも出場して序列争いに変化をもたらす活躍をしてほしいものだ。