ドライバーのみなさんは赤信号などで車を停止させるとき、前の車からどのくらい距離を取っているでしょうか。
停止時の車間距離については法的な定めがなく、「どのくらい距離を取るのが適切か」についてはさまざまな意見があります。それぞれ大まかに「このくらい」というイメージはあるでしょうが、その感覚が異なるケースもあり、他車のスペーシングに対して違和感を覚えるドライバーも多いようです。
今回はMOBY読者の方々から寄せられた「停止中の車間距離」についての意見を紹介していきます。
目次
「車両1台分以上」はさすがに空けすぎじゃ…
停止時の適切な車間距離はどのくらい?
「車両1台分以上」はさすがに空けすぎじゃ…
まず多く寄せられたのが、「車間距離を空けすぎている車が多い」という意見です。代表的なものとして、以下のお話を紹介します。
「最近目につくのが、停止する際に止まるべきポイントのかなり手前で止まっている車です。停止線よりかなり手前に止まったり、前の車から車両1台分以上も空けていたり。教習所ではそういう指導をされているのでしょうか」(50代男性・会社員)
おそらく「乗用車1台分」というのは1つの目安とされているようで、「距離を空けすぎ」という方々の意見にはしばしば「1台分以上=間隔を取りすぎ」といった見解が見られました。
たしかに混雑している状況などでは、「前の車がもう少し詰めてくれれば、踏切を渡れるのに」といった場面もあるかと思います。一方で、距離を詰めすぎてしまうと、玉突き事故のリスクが上がったり、前の状況が見通しにくくなったりといったデメリットも考えられるでしょう。
停止時の適切な車間距離はどのくらい?
適切な車間距離について、都内の教習所で教習指導員を務める方に話を聞いてみると、次のような答えが返ってきました。
「停止時の車間距離については、教習所や指導員によって考え方が異なるケースもありますが、教習生に教える際の目安として多いのは『前の車のバンパーが見えるくらい』や『前の車との間の道路が少しだけ見えるくらい』といったところだろうと思います。
これは距離にすると大体3メートル前後であり、『大きくハンドルを切れば前の車を避けて進める程度』の距離感ですね。追突された際に前の車とサンドイッチ状態にならないためにも、ある程度距離を取っておくことが大切です。
もちろん、最適な車間距離は道路の状況によっても異なります。交差する道路があれば、その道路に差し掛からないように停止することが望ましいでしょう。あるいはスピードの出やすい幹線道路や、高速道路の渋滞最後尾付近などでは、追突時の衝撃も大きくなりやすいので、車間距離を少し広めに取っておくといいかもしれません」
上のように、教習所においてはおおむね3メートル前後の距離を取っておくことが推奨されている場合が多いようです。乗用車1台分の長さは4メートルから5メートル程度ですから、多くの方が「乗用車1台分以上は空けすぎ」という感覚を抱いているのは納得できる結果なのかもしれません。