
ファン待望のロータリー車が復活。でもエンジンは発電用です
ファン待望のロータリーエンジン搭載車、マツダMX-30 Rotary-EVに乗りました。ひと言で申し上げると、シリーズPHEVというタイプになるのでしょうか。駆動は完全にモーターが担い、エンジンは発電機としてのみ使われます。
そして、その発電機はロータリーエンジン! かつてのRX-7や、RX-8とは違い、シングルローターのロータリーです。主査の上藤和佳子さんによると、「お客様の反応は半々」だとか。
「ロータリーの火を消さないでくれてありがとう!」という声がある一方で、「発電機として、では意味がない」という意見もあるそうです。なるほど、そうでしょう、という感じですね。


実際に乗ってみると、当然ですが完全にBEVの乗り味でした。スムーズで静か。アクセルの操作に対してリニアに反応するため、一般道でも交通の流れをリードするのが本当に楽です。
動力性能は、日本では十分以上。モータースペックは170ps/260Nmですが、BEVは内燃機関のクルマより駆動を強力に感じます。それはもちろん、エンジンの回転数によって発生する力が大きく変わる、という特徴がないからです。それゆえ、加速がスムーズで、ドライバーの疲労は少なくなるのです。
バッテリー総電力量は17.8kWh。モーターだけで107km(WLTCモード・カタログ値)走れ、その後はエンジンが発電して航続距離を伸ばします。ちなみにエンジン作動後の航続距離は「アナウンスできない」とのこと。理由は「これまでのモード燃費の計測法は、プラグインのシリーズPHEVに対応していないから」だそうです。いかにも日本らしいですが、計算値でもいいので発表してもらいたいものです。公表されているハイブリッド燃費(WLTCモード15.4km/リッター)から推察すると600~700km程度は、無給油、無充電で走れる、という感じでしょうか。この数値を、ユーザーが、どう判断するのかは難しいところです。ちなみに発電機用のロータリーは、レギュラーガソリン指定です。
