広告代理店の株式会社大広は、株式会社SIGNINGとLGBT総合研究所とともに、「ジェンダーポジティブレポート」を公開しました。レポートを通して、企業が活動のなかで「ジェンダー」と、どのように向き合うべきかを探っています。

多様なジェンダーを考える「ジェンダーポジティブレポート」

このレポートは、多様性推進やD&I(※)の取り組みを導入する企業が増える一方で、配慮を欠いた言動などによりトラブルに発展するコンプライアンスリスクの低減させようとする姿勢が目立つことを指摘。

「多様なジェンダーや性のあり方と向き合う」という考え方を「本来もつべきもの」として軸にすえ、ジェンダーをポジティブに受け入れ、新たなイノベーションを生み出す可能性を考えるといいます。

※D&Iとは、ダイバーシティ&インクルージョンの略。多様な人材を生かし、個々の能力を発揮できる環境を整えていくという考え方をいいます。

多様性を「受け入れられる人」と「受け入れられない人」の違いとは

定量調査では、多様なジェンダーや性のあり方を受け入れる人と受け入れない人の違いを比較。「受け入れたい」と回答した人は57.5%で、そのなかでも10代が最多の74.1%でした。

一方で、「受け入れられない」と回答した人は11.9%で、そのなかの18.7%が70代、14.1%が60代です。この結果から、若い世代ほど多様性に寛容な傾向があるといえます。さらに調査では、受け入れたい人ほどアクティブで豊かな感情をもつことがわかりました。

たとえば、仕事に関しては「やりがい・仕事内容」を重視していると回答した受け入れられる層は68.4%であるのに対し、受け入れられない層は46.7%。「ワークライフバランス」を重視していると回答した受け入れられる層は38.6%である一方、受け入れられない層は27.0%でした。

「ジェンダーニュートラル」と「ジェンダーポジティブ」

また、レポートでは「受け入れたい人」を「ジェンダーニュートラル」と「ジェンダーポジティブ」の2つに分類しました。

ジェンダーニュートラルは、多様なジェンダーに共感するものの、どう向き合っていいかわからない状態を指します。一方で、ジェンダーポジティブは、多様な「らしさ」に触れることで、1人ひとりの違いをポジティブにとらえていると定めています。