類似品と比較してBeelineは何が違う?

バイク用の「Beeline Moto」を実際に日本で使用したユーザーには、一般的なナビと違って進む方向や曲がり角など、道案内に必要な情報“しか”表示しないシンプルさが新鮮に受け止められている印象だ。また、「Funモード」や「コンパスモード」で示されるルートが予想外で面白いという感想も。普通のナビでは案内されないようなマイナーなルートを提示されることが多く、「新たな発見と喜びを体験できた」という声も寄せられている。

また、他社の類似製品と比較してみると、見た目の美しさやシンプルさに関してはBeeline製品が突出している感がある。

Image Credits:Kickstarter

イギリスのサイクリスト2人が開発・起業

Beelineはロンドン西部のチジックに拠点を構えるスタートアップ。元科学教師でトライアスロンに夢中なMark Jenner氏と、以前住んでいたアフリカが大好きで、無類の冒険好きでもあるTom Putnam氏という異色のコンビが共同設立者だ。

設立者の2人は、スーツ姿で働いていた2011年に出会って以来の仲間。共同設立のきっかけは2015年の実体験だった。2人はランチの約束をしたものの、自転車で道に迷って辺りをウロウロしたのだ。「自分たちみたいに道に迷ってグルグルしてる人は他にも大勢いるのでは?」と考えた彼らは、解決策を見出すべく起業することに。

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たった2人でスタートした同社も今では20人のチームに成長。サイクリストとライダーから愛される製品作りに日々取り組むメンバーがソフトウェアやルーティング開発、カスタマーサービス、ロジスティクスまで全工程をカバーしている。

始まりは自転車向け製品だったが、2018年にバイク乗りからも要望が寄せられたことでユーザーベースは「二輪車に乗るすべての人」に拡大。以来同社は、世界中で10万人を超えるサイクリストとライダーのコミュニティを築いている。

合計で1億4千万キロもの距離を走ってきたBeelineユーザーたちは、βテストにも参加しフィードバックすることで製品改良に貢献している。オフィス外のコミュニティメンバーにも支えられた企業なのだ。

(文・根岸志乃)