創造は組織に属さない個人から生まれるほかないから、働き方改革においては、組織と個人との間に自由で弾力的な関係を構想して、組織から創造を生もうとされている。個人の創意が創造になるためには、協働する人の集団が必要だが、この集団は、価値を共有する人の緩やかな集まりにすぎず、自治的な共同組織と呼ばれるのが一番相応しいが、片仮名でいえばコミュニティーである。

123RF

コミュニティー内の活動は、自己目的化した純粋行為なのであって、成果を志向していないし、すべきでもない。それが成果として認知されるのは、気まぐれな社会的評価に基づく偶然である。しかし、評価を得れば、それは必然として説明される。

故に、組織において、コミュニティー活動を認めるとき、経営の課題は、第一に、偶然たらざるを得ない社会的評価の成功確率を引上げることであり、第二に、偶然の結果を必然の成果であるかのように説明するために、成功神話を創作することにあるのである。